ビクター SR−W310型の巻

 (外観以外はHR−W1と同等らしい・・・ビクターのサービスマニュアルを見た限りは)

 サブタイトル「インターネットで流れるいろいろな噂を実際に検証する」



 ついに我が手元にやってきた、ビクターの民生用最上位機種。
 私らしいの紹介の仕方で、蓋をあけた状態です。
 多分、こんな状態でこの機種を紹介するのも私だけでしょう。(笑)

 ヤフーオークションで、「電動スライドドア破損、現状渡し」という事で4万円弱で落札。
 インターネットでは、「電動スライドドアの破損は部品が入手できず修理できない」という情報がまことしやかに流れており、どうもその影響もあり、破損している事が判っている品物を敢えて入札する物好きは私以外にいなかったようです。(汗)

 到着しさっそく動作確認すると、スライドドアから「ズガガガガガ」という、とても62万円のビデオデッキと思えない音がしています。この上品な外観にはまったくもって似合いませんな。



 同型機を所有されている方には正視できない映像かも知れませんね。(笑)
 スライドドアの故障調査にかかることにしますが、この為にはフロントパネルを外す必要があります。
 この写真は既に交換予定の古いギヤASSYを取り外してある状態です。これを取り外さなければ、スライドドアがこういう状態になることはありません。

 細かい手順は敢えて映像を出しませんが、文章+要点の映像のみ書いてみますと、
 まず、デッキ上のアルミパネル(2個)、サイドパネル(残念、ただのプラスチック)の固定ビスを外す。
 リアにも1本あるので外す。



 パネルの中にはケースが。HV−V7000にも似ているな・・・。
 ちなみにパネルに見える白い筋は傷。(;_;)



 それも、防震対策がしてある。さすがは民生最高峰ですな。

 パネルの取り外しは普通のデッキと何も変わるところはないです。底のツメはマイナスドライバーで丁寧に起こします。
 サイドのツメ、上のツメも起こしますとパネルが起きてきます。
 デッキメカとスライドドアには機械的にも電気的にも連絡はありません。



 無事にパネルを起こしたところ。他社のように、パネルを分離すれば良いのですがビクターさんは配線のインシュロック止めが大好き。これを切るのもめんどうなので、デッキ上に新聞紙を広げてそこで作業をすることに。

 この状態で通電して蓋の動作を調査してみると、どうも動力が蓋に伝わってない様子。
 基板を取り外してさらに調査を進めます。
  蓋の動作メカを調べるため、パネル裏の小基板の固定ビスをすべて外します。そして基板を起こします。
 尚、蓋の上にあたるLED基板は外さなくても作業が出来ます。



 上の写真には、基板を取り外す際に、取り外す必要があるフラットケーブルがあります。
 1本は蓋の裏の操作SWのもの。もう1本はスライドパネルのもの。



 基板を取り外した状態のフロントパネル。訳あってギヤASSY、スライドドアも取り外した状態です。 
 こうしてみると、テープ挿入部のパネルは他機と同じ事がわかります。
 この色はHR−Z1ですね。



 このような状態になります。



 この写真は、部品交換後の写真ですが、上の右に見える黒いギヤが破損していました。
 スライドドアのギヤ破損、ということでHR−20000/W1系では大変有名な故障のようです。



 ギヤのみ取り外した状態。上の写真で説明すると、左のモーター出力が減速機を通って白いギヤまで伝達される。
 白いギヤから出ているシャフトは一見黒いギヤと1本モノに見えるが、実は1本ではなく、黒いギヤの部分で分かれており、黒いギヤは各々のシャフトのカップリングを兼ねている。
 たかがスライドドアなんですが、上下にはかなりの力が必要なようで、プラスチックの経年劣化+疲労で破損してしまったようです。他社ではこういう故障は少ないように思うのですが、ビクターさんだけ?
 一応シャフトは一部が切り欠いてあり、キーの役割もある。



 不具合箇所も特定できたので、ギヤを注文するかな、と思っていたのですが、ここでまたしてもビクターさん、やってくれます。お得意のASSY交換ときました。
 まあ、工賃が高い昨今の状況では、こっちのほうが賢いのかも知れませんが・・・。
 上の写真で、必要なのはまさに黒いギヤ1個だけ。ああ、無駄なような気がするが・・・。環境には優しくないですね。
 お値段はユーザー価格で5250円(税込み)。高っ!

 写真の斜めに写っているギヤ+シャフトは参考に置いてある古い故障品。
 ちなみにこの部品、神戸のSSにはなく、大阪のSSに在庫がありました。
 土曜日のこの日、週明けが待ちきれない私はこれを買いに大阪までクルマを飛ばしました。 



 新旧比較。やはり、噂通り破損する部分に補強が加えてある。
 軸部分の、バネとギヤの間の銀色の部品がそれ。
 しかしお手軽&プリミティブな対策ではあります。



 ちなみに部品番号は上の通り。PQ34346A−8です。
 ちなみに(ハイフン)の後の8が改良番号のようです。



 部品交換前に、スライドパネルを取り外した内部を掃除をします。
 ファンがあるだけに、空気が通るためか黒ずんだ汚れがあります。



 スライドパネル。ちなみにマトリクスLCDで、エプソン製でした。

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