パイオニア M−22 パワーアンプの修理

 このような、如何にもパワーアンプというような形のアンプを修理依頼品として預かりました。

 不具合は「ヒューズ飛び電源入らず」というものでしたが、果たして。

 非常にシンプルな作りで、回路はA級となっており、これからの時期に重宝します。
 電源を入れると、確かにヒューズが飛びます。

 一気に切れるのではなく、徐々にヒートし切れるので、回路の2次側のどこかでショートしているような切れ方です。 

 こういう時は、コネクタになっているのを幸いに、電源関係のコネクタを一つ一つ外し回路を切り分けて電源をオンオフし、ヒューズが飛ばなくなる状態を探してみます。

 当然、長く通電するとヒューズが飛ぶので、ヒューズが飛ぶ1秒以内が勝負です。
 結果、Lchのパワーアンプ回路への+B電源を切り離すとヒューズは飛ばないことから、Lchのどこかに重篤な不具合がある事が解りました。
 調べてみると、このトランジスタが1個、完全にショートしていることが解りました。
 取り外してテスタで当たると、どの端子をどう組み合わせても導通があります。

 上は準備した同Tr。幸いにまだ新品が手に入ります。
 パワーアンプはこのようにモジュールで取り外せますので、メンテが楽です。

 写真は既にTr交換を終えています。

 この状態で組み立てて通電すると、リレーは外れました。
 テスト用SPをつなぐと、Rchに低レベルながら、ポップノイズが見られました。
 また、全体的にスピーカー端子のDC電圧も不安定です。

 ってなわけで基板を調べます。
 内部基板。電解コンデンサも怪しいので交換することにします。
 ポップノイズの犯人は多分コレでしょう。手持ちがあるので交換します。
 ハンダも全て再ハンダします。
 さて、パワーランプも切れていました。
 手持ちの電球が使えそうでしたので、交換してしまいます。

 これが点くか点かないかで、雰囲気がえらく違いますからな。

 Rch側の基板。実はよく見ると基板の構造が違います。

 こちらの回路には電源のダイオードが実装されています。
 基板が焼損していますが、かなり発熱するようです。
 こちらは発熱のせいで電解コンデンサのフィルムもだいぶ後退していました。
 これも交換してしまいます。
 今回ショートしてしまったトランジスタ以外も、全て取り外してシリコングリスを塗り直します。
 2SA798を交換して、Rchは依然ノイズが残っています。
 どうも他にもTrが悪いようで、取りあえず手持ちのTrで順番に交換してみます。
 問題なければオリジナルに戻すということで。
 ノイズの原因調査は、部品の取り付け取り外しを繰り返すので、他に接触しないようパワーアンプ基板を起こして通電してみました。
 ようやく不具合を特定しました。
 写真上の、ヒートシンクがついたTrです。
 脚などは汚れていないのですが、これを交換したらさっぱり直りました。
 Trは手持ちに、同一品番ではないのですが、同一メーカーの1番違いの定格が大きいものがありましたので、これを交換しておきました。

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