三菱 HV−F32型の巻
 
そもそも、VTRは消耗品のカタマリであり、数年使用すると故障する
ことは避けられません。
さて、今回のネタは、約10年使用のVTRが故障した、という話です。
 
本当はごみ捨て場にあったものです。
品物は三菱のHV−F32という、VHSの割と高級デッキです。
 
 一応写真を使ってわかりやすくして居るつもりですが、画像が多くてものすごく重たいと思います。
 50枚くらい写真がありますので覚悟してください。
 また、デジカメの撮影者の腕がイマイチでして、暗かったりボケてたりしますが、ご容赦ください。
 
(写真1) 外観
HV−F32近影
 
 バックが汚いのはご容赦。故あって、修理後の写真ですが外観ですのでいいでしょう。
 
 このビデオ、早速テストすると「早送り、巻き戻し不可能、再生は可能」という状態でした。
 典型的な消耗品の不良症状です。
 さっそく、修理してみたいと思います。
 
 ただし、ヘッドが死んでいると消耗品を取り替えても使えません
 再生テストだけは怠らないようにしましょう。
 
 まず、三菱のサービスステーションで「消耗部品セット」といわれる部品セットを買います。
 実際のところ、他社でも同様のものがあるようですが、松下の最近の機種にはないようです。
 (作者注:松下製の新型メカでは、オーバーホールキットに近いものがあるようです。まだ未
確認ですので、確認しだい掲載します)
 
 他社でもない機種があると思います。
 本キットが使える機種を下記に紹介します。
 
<本キットの適合機種>
 
 (訂正:書き方に問題があったので修正します。99/8/11)
 
 パーツNo:948D027050
 HV−A10、30AS、60D、69D、69DS、480、480A、480A(Y)、480A(N)、480A(T)
 
 パーツNo:948D027060
 HV−D10、F10、R10、V14、VT−205、302
 
 パーツNo:948D027070
 HV−F11、D12、G13、D20、F21、F22、F23、F31、F53、S54、F63、S64、S65
 D201、F201、D207、F531、F535、F631、F853、F963、F964
 VT−207、208、303、304、305、308、309、311
 YHV−700、710、S900
 HV−FX7、D30、D30F、F32、F33、F35、D50、D51、F52,D61、F62、F300
 D501、F521,F621、D830、F832、D851、D961
 VT−209、210、306、307、310、YHV−600
 
 パーツNo:948D027080
 HV−V36、V5000
 
 ちなみに、それぞれよく似ていて、間違えると一応動きますが、変な音がしたりしてよくありません。
 (HV−V36で経験済み)
 なお、交換要領はパーツNoにこだわらず一緒です。
 
(写真2)消耗部品セットの外観
消耗部品セット 
 
 右側のパックになっているのがそれ。
 左側の小さいのは、この消耗部品セットに入ってなかった部品です。(後で説明します)
 これに限らず、このセット内に入ってない部品がありますが、それはその都度サービスステーショ
ンで購入する必要があります。
 
(写真3,4)各部品の外観
キット
テンションバンド
 
 この部品名も各社違いますので、購入の際は実際にサービスマニュアルか部品リストを見せて
もらって購入しましょう。
 
 ちなみに購入価格は、消耗品キット(リールドライブ組立)が610円(税別)、テンションブレーキ
ベルトが315円でした。この購入価格は一般価格のはずです。
 購入時には、「一般の方ですか、業者ですか?」と聞かれます。
 なにが違うのかというと、購入価格が若干、業者の方が安いです。
 大差はないので、一般と言っておきましょう。その方が無難です。
 私が購入するときは、会社の車で作業服(左胸上に企業名入りで行くので、「業者です」と言って
もバレません。ホントにそうするならば領収書をもらうなり、プロを装いましょう。
 
 消耗部品キットの価格も結構ばらつきがあります。
 だいたい1000円から3000円くらいですが、もっと高いものもあるかも知れません。
 
 さて、実際にはこんな部品が入っています。
 
(写真5)内容物
中身
 
 左側の部品は「テンションブレーキベルト」です。
 右側が、キットに含まれる部品です。
 手前の白色のプーリーのついたプラスチック部品が一番のキモです。
 あとはゴムベルトだけ(3本あります。画面では2本しか見えませんが)です。
 
 右の基板ですが、これはおそらく小改良によって必要になった部品です。
 このような修理時に取り替えてください、とのことなのでしょう。
 結構、このような例はあるようです。
 
 上の紙(2枚)は交換説明書です。
 
 ここで、必要な工具類を書いておきます。
 
 プラスドライバ No0、1、2
 ピンセット
 はんだごて(30w)
 
 ヘッドクリーニング液、綿棒、ティッシュ、グリス(モリPSグリース)
 
 あると便利なもの・・・半田、半田吸い取り線、デジタルカメラ(機構部分の再組立時にあると便利)
 
 準備が出来たら、次に進みます。
 
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