三菱 HV−V36型(その2)

某ハードオフで300円にて保護。再生出来なかったとのことでしたが・・・。

外観はいつ見てもヘヴィです。以前のデッキはかなり昔に手放してしまっていたので300円という事もあり保護。
試運転中の様子。再生動作まではしますが、停止させるとポスト類は戻るものの、テープがそのまま。リールドライブが動いてない典型的症状です。早速修理をします。
今回は現在ついているリールドライブ部を手直しするつもりです。それにしてもリールドライブ部を外すのにパネルまで外さないといけないのがちょっと面倒。ケーブルでの連絡がないだけマシではあります。
消耗品は以前に交換された形跡はありません。確かV36は対策基板はなかったような気が・・・。
カセコンを撤去しリールドライブとご対面。
アイドラがツルツルです。早速ヤスリ掛けし手直しします。ブレーキのゴムは割れまでに至ってないので交換しませんが、表面が硬化しツルツルになっているので、これもヤスリ掛けします。
結構手間です。600円ほどのものですので、交換しても良いようなものですが。
デッキメカ裏。ベルトもくたびれています。
リールドライブ部の数字は日付と考えられます。88年5月30日かと。
ヘロヘロベルトは放置し、しっかりしたベルトに交換します。

ヘロヘロベルトから交換しバラックでテストしますが、何故かギヤが噛みこんで異音がします。

別にあるもう1台のV36も同症状で放置プレイしたままです。しばし悩みました・・・。

不具合調査中にリールドライブを壊してしまったので、いったんここで調査終了しました。

後日、別なV36のリールドライブを調査中に原因がつかめました。V36、V5000だけは消耗品のリールドライブ形状が違い、ギヤが2枚になっています。このおかげでメカの動作は俊足なのですが、ベルト押さえ&リール芯位置固定の役割が、ギヤ位置の固定を兼ねるようになっていました。

私はバラックで、この押さえを取り付けずに試運転していました。この為ギヤが規定外の位置まで移動し異音と動作不良となっていたようです。いや、情けない話です。

組立てるときは、ベルト押さえの爪2カ所(4本)の中に、リールドライブの突起が収まるようにします。

ちなみに以前に入手したV36も上記で動作するようになりましたが、白黒映像しかでないジャンクなのでさっさと諦めて、リールドライブを摘出し、300円のV36に使うことにしました。古い方はヘッドも一応生きていたみたいです。

底面の様子 ちなみに、こちらは普及機のHV−F32型の写真。ただの板でベルトの脱落防止とリールの芯位置固定だけの役割です。
組立てて試運転をします。しかし、今度は、再生中の逆方向サーチの時だけ、供給側リールがテープを巻き取りません。早送り、巻き戻し、再生時は異常ありません。いろいろと調べると、ギヤからリール台までは動力供給は正常に行われているようですので、後はこのリール台の不具合でしょう。ついてに反射鏡の清掃もしておきました。
供給側リール。リールドライブからの動力は、右に見えるゴムアイドラもしくはギヤから行う。これは速度に応じて切り替えられる。

軸、そしてテンションバンドが見える。

上の供給リール台の中にはスリップクラッチが組み込まれている。

供給側リール台をばらしてみたところ。

左のベース部、真ん中のギヤ、右の押さえを右に見えるリール部でバネを介し圧入で取り付けてある。逆サーチ再生時に、リール部に無理な力が掛かるとギヤだけが空回りするようになっている。リール台クラッチとギヤとの間の動力伝達はフェルトらしき布を介して行われている。

どうやらこのデッキの場合はバネの力が経年で弱ったようだ。取りあえず荒っぽいながらもバネを少し手で伸ばして組み込む。ギヤを手で回してみるとかなりトルクが増えている様子。これで取りあえずは問題ないと思います。

組立てたクラッチ部。クラッチディスクとギヤの間は、清掃しておき接触抵抗が増すようにしておきます。
新旧ピンチローラー比較。右は使いたくないですな。(汗)
FLがかなり暗く見えにくかったのでパネル裏を見ると見事に汚れています。
ヤニ汚れがかなりありましたが、無事に清掃が終わり動作中です。

なお、このデッキにはあのICはありませんでした。しかし、JVCの謎なICはありました。

蓋の中は相変わらずメカメカしくて良いです。レベルメーターの色もいいですね。
ジョグシャトルダイヤルはかなり重く実用的です。家庭用高級編集機という気がします。

EDV−9000が発売された頃の製品なんですね、これ・・・。

EDV−9000ってゾンビみたいにまだ現役なんですが、それを考えると凄いことですな。

EDV−9000のデザインにそっくりではありますが、三菱らしいオリジナリティも随所に見えるいいデッキです。

リアパネル。見ての通りシンプルです。

アンテナ端子がV/U別なのが時代ですね・・・。

このデッキは保存予定です。

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