三菱 HV−V3000型の巻
 
 このデッキは、中部遠征の際に発見し入手したデッキです。
 何も言いません。やっぱりVシリーズですね。最高です。
 
外観図 
 
 分厚く存在感のあるデッキです。これだけデカいと壮観ですね。
 蓋の中はこんな感じ。
 
蓋の中
 
 HV−V1000あたりに比べるとあっさりした感のあるデッキですが、今の時代ではなかなかこんな
デッキは手に入りません。三菱ですら、こんなデッキは作っていないのです。
 
リアパネル
 
 リアパネル。充実の端子群である。真ん中にある、見慣れないD−subの端子は、DAプロセッサ
用の端子である。別付けのDAプロセッサを取り付けると、音声デジタル録音ができるというもので
した。
 
部品群
 
  こんな高級機ながら、自力での部品交換をしてみます。
 
 部品の数々。いつも交換している部品と変わらない。
 適応機種はHV−BS35、V6000、V3000、S100。
 
部品の比較
 
 これは、たまたま入手したHV−S84用の部品との比較。
 右がS84の部品。見た目にはほぼ同一。
 ブレーキのパッドがバネで引っ張るようになっており、より力が掛かるようにできている。
 普及機の部品は、プラスチックの弾性を使用して押しつけるようになっており、経年劣化が気にな
る。
 
蓋を開けたところ
 
 蓋を開けたところ。メカは見えない。蓋がされている。さすがは高級機である。
 
底がすごい
 
 底面。今回は開けませんが、底板は銅メッキ(と思う)されている。
 真ん中の3角形の足は、メカ系専用の足。完全にデッキ内部で、メカの分離が行われている。
 後ろの足は、電源トランス用。さすがは当時のフラッグシップ機。
 
パネルを外したところ
 
 パネルをはずしたところ。
 見たところなんともないようだが、基板の一部にはガラスエポキシ基板らしきものが使われている。
 
テープローディング部を外した様子
 
 テープローディング部を外した様子。
 ヘッド部の上にNEサーチ用?と思われるスリップリングが見えるが、このデッキはNEサーチ
なんだろうか?
 内部にはほこりも少なく、新品といっても判らないくらい。9年落ちのデッキのコンディションとは
思えない。
 
テープ通過部分
 
 テープ通過部。綺麗な状態である。
 H/Oでここまで掃除をするとは思えないので、最初のコンディションが良かったに違いない。
 
送り出し側リール周辺
 
 送り出し側のリール周辺。さほど劣化もなさそうである。
 
デッキメカをシャーシより切り離す
 
 このメカの構造では裏側からのアクセスは不可能なので、メカシャーシのみを分割します。
 上の写真は、メカの配線を外しているところ。
 
メカ分離成功
 
 メカ分離成功。みたところ、普通のツインサーボメカである。
 なお、配線を外す都合上、ローディングモーターはデッキ側に残してある。
 
ピンチローラ組を交換中
 
 ピンチローラー組を交換中。外した後、シャフトを清掃しグリスを塗布する。
 
ピンチローラー新旧比較
 
 ピンチローラーを比較。右が旧、左が新。
 テープの走る部分が明確に光っており、まだ使えるものの、交換して置いた方が良いだろう。
 
供給側リールブレーキの図
 
 上は供給側リールのブレーキである。上の写真では見えにくいが、若干摩耗があった。
 交換して置いたほうがいいだろう。
 
ブレーキ新旧比較
 
 ブレーキに新旧の差は見られない。唯一、新ブレーキは部品の色が一部違っていた。
 
ブレーキ交換済み
 
 交換そのものは簡単である。バネを飛ばさないよう注意する。
 ついで、テンションレギュレートアームTを交換する。
 バネがあるので、飛ばしたり、変形させないよう注意する。
 
テンションレギュレートアームTの比較
 
 右が古い部品、左が新品。若干パッド部分が汚損しているがまだまだ使える。
 
交換済み
 
 交換が終わったテンションレギュレートアームT。
 
メカの裏側
 
 メカの裏。普及機のツインサーボメカと比較しても大差はないようだ。
 
レバーブレーキRS
 
 中心部の黄色い色の、レバーブレーキRSを交換する。
 これは、装着されていない機種があるらしいが、ジョグシャトルのできない機種には装備され
ていないようである。
 
レバーブレーキRSの比較
 
 レバーブレーキRSの比較。左が旧。ブレーキパッドの役割をするフェルトがずれている。
 これは交換しておく必要がありますね。
 これが悪いと、スロー再生反転時の最初だけノイズが多いという症状が出ます。
 今回も、ノイズが出ていたのでこれが悪いかなと思っていました。
 
プーリーを外しているところ
 
 プーリーを外しているところ。このプーリーがたまに経年劣化で割れてしまうことがあるので、
キットではその対策として砲金製のプーリーと交換するようになっている。
 
接着剤塗布
 
 古いプーリーを外し、乾拭きしてから説明書に従い指定位置に2液式接着剤を塗布する。
 多すぎても少なすぎてもだめ。
 
プーリーを接着
 
 無事接着できたプーリー。
 はみ出た接着剤は、綺麗にふき取ります。
 
 この後、キャプスタンモーターの右側に見えるブレーキ(キャプスタンブレーキ)を交換します。
 これを交換する際、キャプスタンモーターの取り付けを一度ゆるめないと難しいと思います。
 
 キャプスタンブレーキの比較
 
 キャプスタンブレーキの新旧比較。特に問題はなさそうである。
 
部品交換済み
 
 部品交換が済んだメカ。最後にベルトを掛けておく。
 その後、グリスを適量、メカの数カ所に塗布する。
 多すぎると問題があるので微量、塗布する。
 
デッキメカと組む
 
 デッキメカと組む。このデッキはデッキメカが完全独立しているのでこのような感じで組めて
しまう。
 デッキメカの修理はこれで終わり。あとはほかのところを紹介します。
 
電源部の様子
 
 電源部。セオリー通り、センターにある。しかしシールドなどはなく、高級機の電源にしては若干
拍子抜けな感があります。
 
メカシャーシ下
 
 メカシャーシの下。あの3角形の足に、メカは完全に載っており浮いている。
 サブシャーシもアルミ製。すごいお金のかけ方である。
 
修理終わり試運転中
 
 修理が終わり試運転中の状態。
 
終わったのでシールを貼りましょう
 
 修理が済んだのでシールを貼りました。過去に何らかの修理を受けているらしくメーカーのラベル
が貼ってあります。
 
手持ちのデッキ群
 
 私の使用デッキ群。上からNV−BX25、NV−FS70、NV−FS65、HV−V3000
です。バブルデッキばかりである。
 
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