NEC ディスプレイTV PC−TV455型 (良い子はマネしちゃだめよ)

 このディプレイはわたしがサブNTSCモニタとして愛用中のもの。
 画質も比較的良く、お値段もお手頃(ジャンク@3000円)でした。
 この手のNECのディスプレイTVは当時としては端子類が異様に豊富で、「腐ってもNECのディスプレイTV」という感がありました。
 発売されていた当時、貧乏人はPC−KD854Nでしたが、お金持ちはこれが買えたのです。(爆)



 今見てもシンプルなデザインで好感が持てます。
 しかしこのディスプレイTVに限らずNECのディスプレイは結構故障が多かった記憶があります。



 不具合はこういう感じで、何もしてないのに垂直同期が外れてしまいます。
 調整もききません。鬱陶しいことこの上ない故障です。
 しかし、時間が経つと結構マシになってきたりします。
 この「時間が経つと」ということ、かなり重要です。



 端子群はこんなところ。いまや絶滅寸前の端子が多いですね。
 アナログでは21P、15P、9P。デジタルでは8P。
 いずれも10年前まではメジャーな規格でした。
 今となってはプレステで気を吐いていた21P端子くらいしか使えない感じです。

 実はわたし自身、この21Pでプレステを楽しんでいた事があります。

 このディスプレイを置いてあるのは、S映像端子が生えているからに他なりません。
 いまや14インチクラスでS映像がついているTVも少ないでしょうね、しかし。


 !!!!!注意!!!!!

 ここから先は、非常に危険な作業の紹介をしています。
 感電、やけどの可能性があり、最悪の場合は死に至る事もあります。
 決してこの内容をマネしないでください。
 マネをして、貴方が被害を被られましてもわたしは一切の責任を負いません。


 とまあ、挨拶文を書いておきます。本当に危険ですので、注意してください。
 基板のパターン上で、裏側にシルク印刷で斜線が入っている部分は通常高電圧が掛かる部分であり、感電する可能性が極めて高い部分です。
 絶対に触らないでください。



 さて修理ですが、TV系で「時間が経つと・・・」という故障は、殆どの場合は電解コンデンサか半田クラックが主です。
 PC−TV系、PC−KD系ではわたしは過去、半田クラックばかり2度経験しているので、半田クラックを追いかけてみます。
 時間が経つと、半田クラック部も熱により接触状態が改善し、時間が経つと症状が良くなることがあるようです。

 下の黒いプラスチックは、あの「フライバックトランス」の足のカバーです。いかに危険な個所かが判りますな。



 をー、この辺が疑わしいなあ・・・。

 半田クラックの原因は、半田の融点に達しなく、且つそれなりの高温になり、それが繰り返される場合、半田が劣化することです。
 これは、半田を除去し新たに半田付けすれば直ります。

 半田クラックを見つけるには、半田付けした色が濁っていて(通常は綺麗に光っているが、それがない)、半田付けされた部品の足を中心に小さいブツブツ穴が放射状に広がっているのが特徴です。
 特に上の写真ではプリント基板に穴がたくさん開いていますが、穴が開いている=発熱が多いという意味で、そういう部品の足はクラックが入りやすいです。



 半田付け直しをしていくと、半田が劣化してイモ半田と化し、足の表面が酸化して半田がうまく乗らないことがあります。
 これは面倒でも足を少し磨くしか手はありません。
 これも感電しないかヒヤヒヤしながらの作業です。



 面倒でなければ、このように部品を外してしまいます。
 そして、部品の足の表面を少し削ると半田が容易に乗ります。



 無事に半田付け直しを終えた基板。
 主に高圧回路周辺が多くやられます。常に感電の危険と背中合わせです。



 無事に映像が安定して出るようになりました。どうやら半田クラックが原因だったようです。
 画像は例により、矢口真里嬢@セクシービームです。(爆)
 本当にレーザー光使ってたりします。<ライブ



 最後に、チルトスタンドを分解して掃除し、摺動部にグリスを塗っておきました。

 組み立ててから、電源を入れると電源が入らず。
 蓋を開けてみるとヒューズが飛んでいました。
 裏蓋の底についているシールド板が少しめくれあがっており、これが基板と接触してショートしたようです。
 ミニサイズのヒューズだった為手持ちが無く、ロングサイズのヒューズに電線を半田付けし、ヒューズホルダー部に半田付けしました。

 この後半日以上電源を入れていますが症状は再発しません。
 やはり半田クラックが原因だったようです。 

 戻る