SVO−260の紹介の続きです。



 さて、メカ裏側です。これまたメンテ性に優れない基板べったりメカです。
 ただ某社みたくスイッチなどが半田付けされておらず、コネクタ接続となっているだけ、まだマシです。



 シャーシの金型の製造年月日を見ると、93年製のようです。



 このモーターがローディングモーターですが、音がうるさいです。こんなモーター1個でメカを駆動しているんです。
 ただ、カセコンは別モーターです。



 基板をはがし、せっかくなんでグリスアップします。
 基板はビス数本で止まっています。中心部に、メカから出ているツメで引っかけてあるので、つめを起こして基板を外します。





 基板を外したメカ。メカ的にはメチャクチャ悪いわけではないんですが、イマイチですね。



 こっちは基板部。テープエンドセンサー、LED、各種スイッチがついている。
 取り外しの際にテープエンドセンサーなどを壊さないように注意が必要。



 メカを戻し、今度はヘッドアンプ後ろの基板を見てみます。



 Y/C関係の基板みたいです。こっちは見た目、電解コンも問題ないようです。



 この年式になると怖い電源部。非常に綺麗・・・何故かと思えば、電源コードには「1998」の表記が。
 3年前に交換済みですな。いや、ラッキーです。



 メカは見てのとおりのメカですが、テンションバンドなんかを見ているとくたびれていますねえ。



 FL表示。民生用の表示ではなく、専用に作っている様子です。



 デッキ右側のスイッチ群。
 変なスイッチの説明です。

 「POWER ON PLAY」    電源投入と同時に再生を始める機能。業務用ならでは。
 「AUTO REPEAT」        テープ端まで再生し終わると、勝手に巻き戻しし、頭から再生を始める。
                    これまた業務用ならではです。
 「KEY INHIBIT」         判りやすく言えばキーロックです。いじっても操作できないようになります。
 「HIGH SPEED REWIND」 高速巻き戻し機能。この頃のメカは、120分テープの巻き戻しに5分掛かるなんてのがまだありました。
                     これはソニーの民生機にも搭載されていましたね。

 それにしても、ソニー業務用機に共通の操作キーの色が格好良い。



 デッキ左側。こっちは敢えて説明するまでもない機能ばかりです。
 民生機でこのスイッチ配列をすると格好悪いだけなのですが、業務用機なんで助かっていますな。



 もうちょっとキーを詰めて、ジョグシャトルを付けてもらえれば最高ですが・・・。
 逆に無理なキー配列でない為、主操作キーが大きく使いやすいです。



 コントロールS端子他。マイクは、基本的にアフレコの為のもの(但しノーマル音声)。



 デッキサイドの穴は、EIAラックマウント金具を取り付けラックマウントさせる為のものでしょう。
 AV機器の430mmという横幅が電電公社時代のラック幅に準拠したもの、というのは結構有名なのかな?



 端子群。流石に業務用だけに、ビデオ端子はBNC。そしてソニーらしくCONTROL PやS、Lが付いている。
 CONTROL Sはリモコン操作用のもの、CONTROL Lは今で言うLANCですな。
 ソニーの初期のVHSデッキと業務用にしか搭載されないLANCですが、このデッキはそういう意味では価値が高いです。

 右上の「TV」とは、統一規格型のVTR接続のための端子の筈です。
 デジタルRGBではないです(笑)。



 電源コンセント横の「16」という謎のラベルを見ても、このデッキが何らかの業務用途で使われていたと思われます。
 しかし、製造番号ラベルの「S KISARAZU」がまぶしい。

 再生映像ですが、当然ながら何もついてないので、スッピンです。機能的にはこれというものもなく、普通のS−VHSデッキです。
 中途半端な業務用デッキで、どういう用途向けに企画されたのかな?学校とか?

 以上で紹介は終わりです。もし、このSVO−260を見かけたら保護してあげてください。
 良いデッキですよ。格好良いですし・・・。

 戻る