ビクター 業務用S-VHSビデオデッキ BR-S500DX/S800DXの修理

 久々にヤフオクでいろいろ漁っていて発見。昔は故障機でも1万円を割ることはありませんでしたが、今回開始3000円、そのまま落札してしまいました。

 先にBR-S800DXを入手していまして、追加にてS500DXを仕入れてしまいました。

 ちなみに、S500DXは再生専用機、S800DXは録画再生機です。

 型番最後に「DX」とつかないものは買わない方が良いです。パネルに「DX」のシールが貼ってあるので解ると思います。
 この有無は、一番のキモになるTBS(TBCの簡易版)、NRが搭載されるかされないかの差になります。

 リアパネル。
 業務用といえど、必要最小限の機能だけになっています。
 この辺は上位機種には負けていますね。
 ちなみにS500DXなので本当に少ないです。
 オプションスロット2個はすでにボードが入っています。
 まずはアワー確認。
 約10年で2557Hであれば、少ない方でしょう。
 今回の不具合は、「Error33-1が出て止まる」ということでした。入手時は確かにそれが出ました。
 その原因はローディングモーターにありました。

  S800DXの場合は、ローディングモーターが本当に駄目で、写真手前に見えるカセコンのモーターと入れ替えして、ローディングは直りました。カセコンは若干不調になりましたが、一応動作しています。動作時間の長さも問題なのでしょう。

 S500DXの場合は、最初の1回目を手動アシストすると、あとはエラーが出なくなりました。
 おそらく動作をさせず長期放置していたのでしょうな〜。
 しかし、ローディングは調子良いものの、リール台が変な動作をしてError73-1で停止したり、メカの動作に併せて電源部から「キュッ」というような異音がします。
 電源の異音はアレしかないので、アレを交換することにします。
 電源を取り出したところです。

 ASSYで買うと3万円くらいになります。3枚構成ですが、それぞれで部品が入手できるようです。
 基板1枚にしたところ。
 これはS500DXの基板ですが、S800DXの基板は一番手前の電解コンデンサ、1000uF/25Vがだいぶ成長していました。
 S500DXの基板はそう成長はしてなさそうですが、微妙な感じです。
 放熱板の裏にもたくさんあります。
 右側の基板の放熱板を取り外し、電解コンデンサの総交換をしました。
 ちなみに、茶色の電解コンデンサは電源回路用の高級品ですので今回は交換しませんでした。105℃品でしたし・・・。

交換リスト
 1000uF/25V 5個
 2200uF/16V  1個
 470uF/25V  2個
 220uF/25V 3個
 22uF/10V 1個
 4.7uF/50V 2個
  2.2uF/50V 1個

 取り外し品から確認。
 耐電圧の大きなもので共用しているものもあります。参考までに。
   コンデンサ交換後、変な音もなくなり、メカも快調になりました。

 メカの様子です。
 ツインインピーダンスローラーが圧巻です。
 リールは、さすがに編集機なので2DD。
 メカ全体を見てみると、半分は民生機のパーツが使用されている感を受けます。
 ヘッド周辺。
 テープガイドポストがちゃんと作ってあります。
 ローディングポストのレールが樹脂なのは仕方ないのか・・・。
 ピンチローラー周辺。
 キャプスタン軸の太さは業務用ならではでしょう。
 このピンチローラーは民生用でも見たような・・・。

 消去ヘッドはついてはいるものの、配線はされていません。再生機だからです。

 奥にローディングモーターが見えます。ベルトが2本使ってあります。
 リールモーター周辺。
 DDなのでブレーキ等はありませんから、スッキリしています。
 基板部。当然ながらプラグインです。
 こんな感じに取り外せます。
 シスコンのROMボード。
 ファームウエアなどが入っているのでしょう。
 TBS基板の上にあるオンオフのスイッチ。このディップスイッチ群は何に使うのかよく分かりません。

 TBSは、オンスクリーンでもオンオフできます。
 抜き出した、TBS/NR基板とタイムコード基板。
 TBS/NR基板の様子。
 電解コンデンサの多さに萎えます。ソニーのチップが多い!
 基板を装着したリアパネル。

 タイムコードは民生用としては普通意識しなくても良いです。
 リアの端子群。
 S映像端子はあくまで「Y/C358」なようです。
 基本的にコンポジット使用がメインのようです。
 また、タイマースイッチも見えます。
 BR-S800DXのパネル周辺。
 ビデオレベルはAGCオンがデフォルトっぽいです。とすると、コピーガードに反応するかも?

 スイッチ類は、解らない場合は、

  Audio Monitor MIX/Hi-Fi
  Video Input Y/C358
  Counter CTL
 REMOTE LOCAL

 にしておいて下さい。
 特に、REMOTEスイッチはLOCALにしていないと、スイッチが反応しません。
 右側。
 フレームカウンターが無いのが寂しい。
 ジョグシャトルも削除です。シャトルだけになってしまっています。
 そんなわけでお約束の2段重ね。まぁ、これはメーカーでもデフォで想定しているものですからね・・・。
 まるで間違い探しのようです(笑)

 手持ちにS-VHS資産があれば、1台手元にあっても良いでしょう。今や捨て値で入手出来るようですしね。
BR-S800DXのアワーはこんな感じ。S500DXと大差ないです。

※OSDは、コンポジットの「MONITOR」端子にしか出力されません。Y/C358端子には出力されません。
 S500DXの再生映像。
 これは以前にHR-S100あたりで録画したものですが、綺麗に再生出来ています。

 デジタルNRの設定ですが、LEVEL1が一番無難で綺麗に感じました。

 故障機を格安で手に入れて直して使うのが良いかな〜。アワーが廻っている機体をつかまないように・・・。3000H以内がお勧めです。