アイコム IC−R10型 通信型受信機

 私が車載し常にある周波数に合わせて使用している高級FMラジオ通信型受信機です。

 ホント、こういう機械は誤解を招きやすいです。いっそのこと無線機の方が説明しやすいものですが、コイツは受信機能だけだし。
 仕様はこういう感じ(カタログ)。

 最初はAMラジオから始まりMW、SW、アマチュア無線と進むと、こういう受信機が欲しくなるのです。
 しかも感度や実用性はさておき、ブレスなしで100KHzから1.3GHzまでフルカバーですから・・・。凄すぎます。
 受信機に対する基本的な概念は、「AMはAMラジオ、短波は短波ラジオ」というようにバンドで違うのが当たり前でした。
 それが、BC帯だろうがTV音声だろうが周波数をテンキーから打ち込めばスタンバイOKというのはある意味反則ともいえますね。
 そりゃ欲しくもなりますって。

 まあ、それは良いとして、つい先日から受信音がしないので、「あれ?」と思っていました。
 スケルチを下げてもノイズが聞えないので、「おかしいな?」とは思っていました。
 それが、スピーカー部分を手で押さえると受信音がすることが判明。やっぱり故障ですな。
 早速蓋を開けて修理してみます。

見ての通りのハンディレシーバー。見た目はまんまトランシーバーですが送信機能は搭載していません。

先代のIC−R1が、発売当時のトランシーバーの筐体を使って受信機を作りました的コンセプトなので、トランシーバーそっくりだと言われてもそれはそれと思います。

 

     左ががIC−R10の先祖のIC−R1。画像はメーカーHPからの借用ですが・・・大きさは右のR10よりふた周り小さいのですが、無線機ボディの流用で堅牢でした。表側はプラスチックですがリアはアルミダイカストなんですよ、これ。

(写真は比率が違いすぎますのでご注意下さい)

無線機は送信する時の送信用パワーモジュールの放熱用にダイカストシャーシが使われることが多いようです。

これも私は持っています。内蔵のニッカド電池(受信機本体に内蔵で容易に取り外せない)が死んでいますが・・・。

電池をいれて取りあえず動かしているところ。電池が弱いのでローバッテリーが出てますな。
上部パネルはオーソドックスな配置。左側つまみがボリューム/スケルチ、右がVFOつまみ。

VFO=variable frequency osclatorという意味(スペル怪しい)で、受信周波数を自在に変更できるつまみです。普通のラジオならTUNINGと書かれているところですが、無線機メーカーがつくるとこうなるんです。

後ろ。2つのねじ穴はベルト通し取り付け用の穴だが、プラスチック製。IC−R1は当然に金属製。ついつい比較してしまいますが、R1の方がなにかと良い印象があります。

ちなみに三角マークの(J)は悪名高きJマーク。当然ですがこれは自分で対処済みです。

目に見える範囲のビスを全部外すと簡単に割れます。シンプルですが高密度です。

右に電池ケースがあり、左の基板に押しつける構造です。バラックでのテストは電池ではなく外部電源を用いた方がやりやすいでしょう。

スピーカー周辺を押さえると音がとぎれるんですから、スピーカー線の取り付けが最も疑わしいです。基板よりゼロオーム抵抗を介して配線されています。
動作させながらつついてみます。
左側の抵抗が怪しかったのでピンセットで起こしてみました。見ての通りです。

なんでこんな事になったのかというと、J対策した際に基板を外して戻した際に半田付けがうまくいってなかったようです。従って自分の責任です。(爆)

両方とも外した記憶があるので、きちんと手直ししておきます。
無事に修理が終わり、組立てたところ。

高級FMラジオということで、KISS−FM(姫路局)受信中です。

この受信機、2から900MHzくらいまでが実用範囲なんですが、その気でロングワイヤーアンテナをつければMW、SW帯も十分受信できます。

SW帯はSSB、CWモードもあって復調には困りませんし。

そんなわけで無事修理完了です。

 ブラウザの戻るボタンで戻ってください