Crown プリアンプ IC-150型の修理

  Crownのプリアンプと言えば、あんまり思い当たらないヒトも多かろうと思いますがそもそもはこのような民生機もやっていたようです。
 知名度が低い故に日本にもたくさん入ってきてはいないので、中古に出るとかなりの値になります。
 おそらく、日本の代理店が輸入を始めたのはこの時代より後の事になると思います。
 1970年代の製品です。
 入手はヤフオクで、挨拶入札をしたら落札してしまいました(汗


回路図を見ると、ラインレベルにはオペアンプ1個しか入っていません。
シンプルな作りです。

ノイズを出す部品と言えば、おそらくオペアンプしかなさそうです。
てなわけで、入手できそうでしたので手配しました。

回路図は、Crownのサイトにサービスマニュアルとして置いてあります。さすがはアメリカです。
オペアンプは型番で検索すると日本で入手出来る事が解りましたので手配。2日後には入手出来ました。モトローラのMC1439Gです。
ふたをあけたところ。高級オーディオ機器という感じがプンプンします。

ここまでの状態にするにはモンキーと六角レンチが必要です。六角レンチはインチサイズのものを準備してください。
 今回の不良部品たち。左はオペアンプ。右は容量抜けを起こした電解コンデンサ。1uF/50Vです。

 しかしコンデンサとは思いにくい外形とサイズです。
 抵抗と大きさは大差ありません。
これはカップリングコンデンサだったので、下手に交換すると音質に影響します。
手持ちのMUSEを入れましたが、キンキンの音で安心して聴いていられないので、MUSE以外を探ってみます。

上からBlackgate、MUSE、Crerafine、Duorex、Silmic。

以前D-150AIIを修理したときの残りですね。
 比較試聴を繰り返し、結局最後にCerafineとBlackgateが残りました。
Blackgateの低域は確かに魅力でしたが、中高域がイマイチぱっとしなかったのと、低域がダルダルな気がしたので、Cerafineの低域の切れの良さと中高域の良さを考えて今回はCerafineで行くことにしました。
 片ch分の回路。
 左に見えるMUSEはトーンコントロール回路のもので、直接音質には影響を及ぼさないと考えて今回はMUSEのままです。
 基板裏。
 ケーブルが劣化しており、かつ直半田でメンテのために基板を起こしていると劣化して断線します。ほとんどの線をつなぎ直す羽目になりました。
Phonoアンプ基板。一応Phonoでレコードでも試聴しましたが、悪くありませんでした。
 リアパネル。ごく普通のプリアンプです。
 修理完了。
 PANORAMAというつまみはLRを入れ替えたりモノラルにしたり出来るものですが、ステレオ時には使わないつまみです。
 つまみが割れていたので取りあえず代用品をつけてあります。
 これも直さないとね・・・。

 コンデンサ交換後、ご機嫌です。AGIと入れ替えても良いかな〜と思いました。
 確かに良いプリアンプだとは思います。

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