ソニー WV−D700型のi−link端子の交換



 このデッキと、DHR−1000orHM−DR10000を組み合わせてうちでは日常的に編集に使っており、i−link端子の抜き差しも多く、前々から「どうだろうか」と思っていたのですが、やはり・・・うっかりコネクタを刺し損なったらしく、急に映像が出なくなりました。あせりました。



 コネクタを調査すると、やはり・・・端子がめくれあがっています。



 パネルを外して端子を調査、めくれているのを戻せば使えるかと思いつつ、調査してみます。



 幸いにしてその部分の基板は単体であり、コネクタだけの実装。



 ほぼ、切手大の小型の基板です。
 コネクタをバラして端子を起こそうとしましたが、失敗しパターンをめくってしまいました。
 ああ、やっちまったよ・・・。

 まあ、基板を買えばいいや・・・と思っていました。
 ソニーのサービスが統合化されて、部品の購入は代理店となっています    。
 こんな面倒な部品を頼む私の存在は、はっきりいって代理店もめんどくさい様子がありありと見えました。
 こちらも面倒なので、直接メーカー窓口の電話番号を教えて貰い、3度もFAXを貰った結果をおおまかにまとめると、

 ・WV−D700型(含むDxシリーズ)については、このIN−55基板は部品としては設定がない。
 ・このため、部品交換は端子のみの交換となる。
  (パターンをめくってしまってもジャンパを飛ばして修理する)
 ・DHR−1000型の、同様のIN−50基板は部品入手が可能。

 いまいち納得できないのですが、部品が出ないのは工場の問題であり、サービスマンではどうしようもないらしい。

 どうでもいいですが、i−linkコネクタは通常抜き差しを繰り返す部分でもあり、またWV−DxシリーズはDHR−1000と違う廉価機でもあり、基板の設定はすべきであると考える。コネクタ交換では手間がかかる仕事になり、人件費の方が掛かってしまう。
 また、DHR−1000では、その基板の部品設定が「ある」のだ。これがなければ納得が出来なくもない。
 基板の設定が有れば、サクッと交換してデッキ分解を含め所要時間30分で終わるというのに。

ソニーさん!ここを見てたらWV−DxシリーズのIN−55基板を部品設定してください。お願いします!



 メーカーに言われるままに部品を手配しました。
 DHR−1000のIN−50基板も、もし合えばラッキーですし、合わなくてもDHR−1000は所有していますから、購入しました。そして角形コネクタと言われる、i−linkコネクタも2個購入。これは今後のためと、失敗したときの為。

 DHR−1000の、i−linkコネクタのあるIN−50基板の部品番号は「A−7072−447−A」名称は、「IN−50 MOUNT」。お値段は1500円。
 WV−D700のi−linkコネクタ単体の部品番号は、「1−770−496−11」、名称は「カクガタコネクタ 4P」。お値段は500円でした。

 さっそくデッキをバラします。

  トップカバーの4本のビスを外し、フロントパネルを固定する5本のビスを外します。
 すべて黒色で、トップの中央部に1本、サイドに1本づつ、底のインシュレーター脇に1本づつあります。



 サイドのビスはここ。



 パネルを開けるとフラットケーブルとふつうのケーブルが見えます。



 長さにはそれなりに余裕がありますので破断するおそれはまずないです。
 丁寧に取り外しておきます。



 前回、取り外したまましばらく使用していたので、ケーブルは外したまま、ビスは取り敢えず締めてあります。



 DHR−1000のIN−50基板が使えないかなと試してみますが、物理的に無理なことが判りました。
 コネクタが当たってしまいます。クソー・・・。



 そんなわけで、無理を承知でジャンパを飛ばすことにします。
 左のケーブルは、ジャンパを飛ばすつもりの線。下のはNo.2ドライバの先。



 これだけ小さいと半田付けも容易ではなく、ミニ万力でコネクタを軽く挟む。
 半田付けするにはちょっと高さが足らないので、なんたる偶然か、PC用のIEEE1394インターフェースボードの箱を、腕を置く台にします。



 なんとか半田付けを無事に終えました。
 コツは、

 ・コネクタ、ケーブル先端に予備半田をしておく。
 ・コネクタ側の端子は少し広げておく。
 ・短時間でさっと半田付けする。
 ・コテ先はきれいに、半田が多く乗らないよう常に掃除しておく。



 裏側の様子。
 ちなみに、はんだごては20Wを使用しましたが、少し大きかったかも知れません。
 コテ先も標準のまま。(笑)

 i−linkコネクタとデッキ側コネクタの端子の接続ですが、
デッキ側コネクタ(基板の表記) i−linkコネクタ側(基板の表記)
−(GND)
−(GND)

 となります。これは、DHR−1000のIN−50基板も同じでした(調査済み)。



 ショートしてない・・・さすが、この半田付けをするためにきっちり睡眠をとっただけのことはありますな。



 i−linkコネクタ側端子はもろそうなので、扱いに十分に注意が必要です。



 写真で見てもショートしてないです。ああ、よかった。
 本当は接着剤で固めたいのですが、今後再度コネクタを交換する事になった場合に困りますので、現状のままとします。



 間違いがないことが判ったので、デッキに実装します。
 ジャンパ配線の引き回しに注意が必要です。



 固定が終わった様子。ジャンパ線はめくれあがらないようにインシュロックでまとめます。



 もうちょっと長めの方が良かったかも知れませんね。



 無事に信号が出ることが確認できました。
 DHR−1000のFL上に「DV入力」と表示され、音声レベルメーターも動いています。



 D700からDHR−1000へスルーさせた映像。特に問題はないです。
 メーカーに出したら2万円くらいしそうな修理ですが、自己修理で500円+FAX代程度で済みました。



 おまけ・・・DHR−1000やWV−Dxシリーズに使用されているデッキメカ。
 2年経過していますが、いまのところ問題はないです。



 メカの大きさの比較のため、参考用にボールペンを置いてみました。



 テープがない状態。ポスト類が多いです。

 BSデジタル導入ですが、果たしていつまでこのデッキは使えるでしょうか・・・。

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