ラックスマン CL−32型 管球式プリアンプ(その3)
メインのボリュームノブが折れてしまい途方にくれており、結局修理も出来なかったので市販のデテントボリュームを探していました。しかし、4連というところでかなりマニアックなのか出来合のものはありませんでした。
ラックスマンと言えばアルプス、というわけでアルプス電気さんに相談のメールを入れてみたところ、1個から特注に応じて頂けるというお返事がありました。 |
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このような箱に入っていました。 カストマ名は私の名前。凄いよこれ。(笑) |
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箱の中身。以前のモノに比べて小型化しています。 | |
大きさ比較として並べてみました。 一回り大きさが違うのが解ります。 |
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メインのボリューム交換となるとここまでバラさないと届きません。 組み立て方は、大量生産にはあまり適さないものだと思いました。 |
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ボリュームが小さくなり、端子は基板に直接取り付けられないのでボリュームの固定用ナットで締め付けます。 ボリュームの廻り止めの穴の位置が合いませんでしたので、穴を開け直しました。 これは会社にある卓上ボール盤で行いました。 電気ドリルではちょっとしんどいかも知れません。 |
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寸法の差異はこのようなジャンパを製作して埋めることにしました。 見た目は不細工ですがやむを得ません。 |
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距離があればシールド線を使うところなのですが、今回は距離も短いことから、使いませんでした。 | |
パネルを組み上げたところ。 固定箇所が多く、バラすのも組むのも面倒です。 |
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さて、火を入れます。 やはり、この瞬間は緊張するものです。 約1分後、かちりと音がしてリレーが入りました。 音を出してみましたが問題はない様子です。 シャーシのカバーを外した状態ではフォノ回路の発振が認められました。 カバーを取り付けると発振は無くなりました。 やはりTrアンプよりシビアですね。 |
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通電中の真空管。 | |
内部を撮影したところ。 フォノ回路のコンデンサも正規の同一品に交換しておきました。 |
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パネル部近影。機能は比較的シンプルです。 | |
リアパネル。シンプルながら入力端子数は豊富です。 | |
組み立ててふたをしたところ。 やっぱり、当時のラインナップでは安いとはいえ見事な雰囲気です。 もちろん、ボリュームのクリックも破損品と同一にして、フィーリングも同一です。 音質ですが、AU−X111MOSのライン2入力端子に、ソースをSL−P1200を経由で接続して聴いてみました。 スピーカーを、DS−57HRVに交換したところなのですが、ジャズなどは見事に鳴らします。 音質は独特のものです。悪いモノでは無いです。 トランジスタアンプではなかなか聴けないものです。 しばらくテストを兼ねて聴いていますが問題はありません。 貧乏なので処分する予定で居ましたが、音質がなかなか良いので迷ってしまいます。 |
最後に、掲示板をご覧になったハコフグさんから本機に関する情報を頂きましたので掲載致します。
********** 以下、抜粋
・使用真空管/12AX7(5)、12AU7(2)
・出力電圧/定格2V、最大15V(歪率0.3%以下)
・全高調波歪率/0.03%以下(出力2V、20Hz〜15kHz)
・周波数特性/10Hz〜40,000Hz(-1db以内)
・出力インピーダンス/PREOUT:600Ω、RECOUT:560Ω
・入力感度(出力1V)/PHONO1・2:2mV、TUNER、AUX2、160mv〜5V、AUX1:160mV
・入力インピーダンス/PHONO1:30kΩ、50kΩ、100kΩ、PHONO2:50kΩ、TUNER、AUX2:100kΩ、AUX1:200kΩ
・SN比(入力ショート、IHF-Aネットワーク補正)/PHONO1・2:80db以上、TUNER、AUX1・2:95db以上
・許容入力電圧/PHONO:400mV以上(1kHZ、rms)
・RIAA偏差/+-0.3db以内(30Hz〜15kHz)
・付属装置/リニアイコライザー、超低域用フィルター、テープモニター、テープダビング、入力インピーダンス調整(PHONO1)、入力レベルセット(TUNER、AUX2)、アッテネーター、プリアウトセレクターほか
・寸法 438(W)×77(H)×322(D)mm
・重量/5.7Kg
イコライザー回路は、全体域にわたりすぐれた歪率特性、対入力特性を実現、3段構成K-K・NFプラスSRPP出力回路を採用。
初段・2段目での歪み打消し、2段目のプレートと出力段のグリッドを直接結合、局部帰還など裸特性の改善を実現。
フラットアンプ回路は2段構成のP-K・NF回路のP-P局部帰還をかけ、メジャーNFをかける前の裸特性を改善。
すぐれた歪率特性を得ている。
シールド線排除、最短コース配線を徹底。
********** 以上、抜粋
※出典は「AUDIO別冊 ステレオコンポ回路図集」昭和53年7月25日 第1版発行 電波新聞社
とのことです。お手数をおかけ致しました。ありがとうございました。
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