ソニーカセットコーダー CF−1980II型



 見ての通り古いラジカセではありますが、モノラルなのに異様な高機能、高音質。
 私が中学生のころ、これの旧モデルとなるCF−1980が捨ててあったのを拾い、長らく愛用した記憶があります。その時のそれはもう捨ててしまい、ないのですが、後年また入手しました。
 そして聞くところによると「CF−1980IIには短波がついている!」とのこと。
 入手したいものの、入手出来ないまま10年以上が経過、つい先日ゴミ捨て場にて元箱付きの状態で保護しました。



 3バンドチューナーは、当時のBCLブームを反映しています。これが10数年前の中学生時代にあれば狂喜乱舞したでしょうが・・・。周波数範囲は、オーソドックスな4〜12MHzまでです。



 そしてVUメーターも装備。気合い入ってますよ。メーター横の穴は内蔵のマイク。



 スイッチがたくさんありものものしいパネル上面。なんといってもモノラルラジカセのくせにテープセレクタ(typeI or II)、ラウドネス、バス&トレブル独立トーンコントロール、ライン入力、マイクミキシング、手動録音レベル調整、16cm&5cmの2wayスピーカー、オーディオレベル/Sメーター、そして3バンドチューナー(MW/SW/FM)。ダイアルライトも当然装備。
 カセット部はキュー&レビュー、ポーズ、そしてオートシャットオフ。
 消去ヘッドは安物ラジカセのように永久磁石ではなくちゃんと電線がつながっています。
 モノラルラジカセで欲しい機能はすべて搭載している最強の機種です。



 うーん、格好いいねえ・・・。



 操作パネル左。バッテリーチェックスイッチとダイアルライトスイッチがある。



 外部入出力端子関係。ごくごくオーソドックスです。



 ダイアルライトを点灯させた状態。今の時代、ラジカセごときにライトがついたものって・・・ないですよね。
 メモリ式ではなく、押している間だけ点灯している状態です。

 動作確認をしてみましたが、現在オートシャットオフが正常動作しない以外は問題ないです。多少スイッチやボリュームがガリ発生していますが、1975年製なんでこれはやむを得ないでしょう。なにより多分購入時よりノーメンテで2001年になっても多少の不具合があるものの基本的に正常動作なのが凄いです。



 内部の様子。見ての通り大型キャビネットのためもあり、密度は低い。



 チューナー基板とスピーカー。しかし、大きいユニットです。16cmですからねえ。
 チューナー部は低密度でトランジスタが目立ちます。時代的にはスカイセンサーなどが売られていた時期ですから、作りも似ています。



 アンプ、カセットコーダ部基板。真ん中に見える細長い録音/再生切り替えスイッチが良く接触不良でハウリングを起こします。このカセットコーダもご多分に漏れす、ハウリングを起こしていました。まあ、支障はないのですが。
 指で押している部分はアンプの出力トランジスタの放熱板だと思われます。



 カセットメカ部。かなり精密メカですよ、これは。



 ベルトはかろうじて動く状態で、かなりの劣化が認められます。



 オートシャットオフが動かなかったので、何故かなと調べてみたところ、原因はベルトの伸びでオートシャットオフ機能がはたらく為に少し力が掛かると、ベルトがスリップしていました。指で補助しながら動かしてみると、オートシャットオフは問題なく動きました。オイオイ、凄いぜソニー!



 電池ケースには、ナント当時のエバレディ電池がそのまま入っていて見事に液漏れを起こしており、かなり閉口しました。



 チューナーのメーターずれがちょっとありました。
 5MHzのJJYを受信してみましたが、上のポータブルラジオR−299と比べると、CF−1980IIの方が少しだけずれています。
 バンドスプレッドでないので、受信は結構難しいです。
 まあ25年無調整でこの性能で有れば大したものですな。

 CF−1980IIは私が長年探していたカセットコーダでした。入手できて喜びもひとしおです。
 この当時のソニーはタイマーなんてなかったのですな。(笑)

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