マランツ CDプレーヤー CD-16型の修理

 マランツのラインナップでは中堅クラスでしょうか。定価16万円で、リモコンと説明書付きで廃棄寸前の故障品を譲り受けました。
 Y様、その節はありがとうございました。
 トレイが開かないという、マランツのCDPでは良くある故障です。
 早速にベルトセットを手配しました。
 早速蓋を取り、内部を調べます。
 トレイ&クランプするメカはCD-94の頃と同じメカで、ピックアップメカが違っています。
 これが問題のベルトです。
 ぱっと見たところ簡単に交換出来る作りではありません。
 まずは、プーリーを取り外すべく、軸のEリングを取り外します。そして、右に見えるリミットスイッチを台座ごと取り外します。
 台座を取り外したところ。
 まず1本目のベルトはこれで外せます。
 Eリングを紛失しないよう注意します。
 次にプーリーを取り外すと下のベルトが見えます。これがスリップしていました。太さもやや細いです。
 プーリー溝にはグリス等は塗ってありません。多分メーカーとしてそういう仕様なのだと思いますので、今回は塗りません。
 無事にベルト交換出来ました。
 見えにくかったので、ちょっと画質を弄りました。
 プーリー軸の左に見える黒いシャフトがクランプメカの駆動用で、プーリー内のカム溝に軸が入っていないとダメです。注意して取り付けします。
 メカは、トレイオープン時で、プーリーとリミットスイッチの関係は写真の通りです。
 もう1つあるリミットスイッチにも注意します。

 何度か試行錯誤すると位置関係は理解できると思います。
 ついで、トレイ開閉用のベルトを交換します。
 メカをベースから外すのが面倒だったので、再度パネルを外そうと頑張りましたが、余計面倒な感じが・・・(笑)。

 それにしても、アルミダイキャストのベースに銅メッキパーツ類が圧巻です。

 フロントパネル、電源スイッチの延長バーを取り去った状態です。
 トレイ用ベルトとようやくご対面。
 このメカはこのワイヤーをいったん除去しないとベルト交換出来ません。
 まぁ、ワイヤーの組み立ては簡単です。
 トレイは開けた状態で、右側のプーリーからワイヤを取り外します。するとこんな感じになります。
 この写真では間違ってトレイ閉でワイヤを外してしまいました。(汗)
 手動でメカを駆動すれば問題ないですけどね。
 ワイヤーを除去した様子。
 ベルトをさくさくと交換します。
 組み立ては、まずトレイを半分くらい引き出した状態で、トレイのワイヤー引っかけ部分の左側からワイヤーを引っかけます。
 ワイヤーはバネの無い側で、その先にあるプーリーは3回巻き付けます。
 この時、ワイヤーが重ならないよう注意します。

 プーリーの下からパネル側のプーリーにワイヤーを廻し、パネル側のプーリーで方向を変えたワイヤをトレイのワイヤー引っかけ部分に引っかけたら作業完了です。

 交換後、バラックでのテスト中。
 気持ちよくトレイが出入りするようになりました。

 早速、山中千尋さんの新アルバムをテストしてみます。
 各部紹介など。

 リアパネルですが、デジタルアウトが2系統。
 アナログはRCAピンが1系統のみです。
 メカの固定用ネジが2本残存しているのは入手元の素性の良さを示しています。
 これが現在では入手が難しいCDM4/36メカです。
 シスコン基板です。
 右上にDACチップが見えます。
 DACチップのSAA7350AGPです。
 これもDACチップで、TDA1541です。
 上のSAA7350との組み合わせで1bit方式ビットストリーム型DAC7 ダブルディファレンシャルモードというヤツだそうです。
 電源部。ごくごく普通の作りに見えます。
  DAC基板周辺。銅メッキシャーシが圧巻です。
 蓋をして修理完了です。

 音質的には、低域はA730と比べると薄めです。
 しかし中域、高域は綺麗に聞こえるのはいまどきのCDPなのでしょうね。
 しばらく使ってみる予定です。

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