山水 プリアンプ CA-3000型の修理(その1) 

 〜とりあえず動くところまで〜

 ヤフオクをうろついてみるとこんなブツが。

 出品者さんはあの方で、私も以前苦汁をなめさせられた事があるので、激しくバクチなんですが、軽く挨拶入札してみたら、そのまま落札してしまいました。
 これが半端な機器だと激しく後悔するのですが、CA-3000だと悔いはありません。

 程度も、右下のPickup Loadのつまみが欠品なのを除けば大きな問題はありません。

 ちなみに、1975年発売、\160,000とのこと。
 この時代の\160,000というのは今の物価の倍以上になるのかな?

 <参考>

 【交通】都バス70円(4月)
 【飲食】ビール180円(4月)、かけそば150円
 【たばこ】ピース(10本入)75円、ハイライト120円、セブンスター150円(12月)
 【初任給】大卒 9万1272円

  今の大卒初任給は20万3557円だそうで、ほぼ2倍強ですね。

 なんにせよ、容易に買えない品物だったようです。
 早速ご開帳。

 以前直したCA-2000とは雲泥の差があります。
 何をどうすればこんだけ詰まるの、という感じ。(笑)
 とりあえず音は出るのですが、片ch接触不良です。
 いろいろと調べると、FILTERつまみ周辺が怪しいようです。
 バランスつまみもガリガリですが、重傷でもないですので軽く接点復活材を吹き付けるだけにします。
 このように基板に軽くストレスを与えると音が出ます。
 半田クラックかスイッチの接触不良でしょうね。
 超めんどくさいので避けたかったのですが、スイッチを分解清掃することにしました。
 基板から取り外しできれば大変なことではないんですが・・・。
 清掃前は固定側も相当汚れています。
 以前にもAU-9900で経験しましたが、めんどくさいの一言に尽きます。
 綿棒で接点復活材を拭き取り、固定接点を清掃します。
 可動側は紙に挟んでこすりつけます。筋が付いて汚れているのが解ります。
 無事に清掃完了し組み立てたところ。
 カシメの部分を再度カシメるのがコツを要します。
 半田付け前です。くり返すとパターンが損傷すると思われます。
 右を終えたので左側をメンテです。あと2つありますが、そっちは問題ないようなので今回はパスします。(汗)
 こちらもさくっと清掃して再度取り付けます。
 裏返したアンプの様子。重さはさほど無いですが、下手なプリメインアンプよりは十分重たいです。
 電源基板と入出力関係の基板。
 電源はコンデンサが膨張しており長期間の継続使用は避けたいところ。
 ついでの修理はヘッドホン端子の折損があったので、これを交換します。
 右が市販品。これがなんとか取り付けできそうです。
 高さやジャック外径などが合わないと取り付けできないので、市販品がこの手のアンプに取り付けられるのは比較的珍しいです。
 直ったヘッドホンジャックにヘッドホンをつないで音を出してみると、歪みが相当あります。ヘッドホンアンプ基板を取り出してみたところ、たかだかヘッドホンアンプとは思えないくらいの物量です。全数のコンデンサ交換を行い、小信号用Trの交換をしておきます。
 今回の修理で交換した部品群。
 コンデンサはすべて手持ちのMUSEに、Trも手持ち品を使いました。
 とりあえず常用出来る程度になったCA-3000。
 この後、全数の電解コンデンサ交換を計画しています。

 それにしても男前なアンプです。シビれますね・・・。

 なお、右下のPickup Loadのつまみは、取りあえず市販品で見栄えの良いアルミ製つまみを補充しておきました。極端な違和感は無いので、そのままでも良いかも。

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