パナソニック 三管プロジェクター TH−B1010型の紹介

 掲示板で、さる方にそそのかされて、こんなものをうっかりと購入してしまいました。

 お値段3万円也。天吊り金具とリモコンが付属しておりました。

 現実的に、液晶プロジェクターの画質を見ていると画素が目についてしまうのと、黒レベルがつぶれてしまうのが非常に気になりました。

 昔から「腐っても三管」というコトバがあるのですが、それを身をもって経験してみます。

 危険! 以下は冗談ではありません。
 
 ・重たいですので
あなたの体を害するおそれがあります。
 ・大きすぎて
家庭内不和を招くおそれもあります。決してまねをしないでください。
 ・仮に導入するときは広い場所と天吊り出来る強い天井がなければ無理です。
 ・ワンルームマンションに使うなんて
もってのほかです。
 ・また、中古は程度が様々です。3万円などという金額は
バクチですので注意しましょう。
  買うならハイビジョンが映るモノを選んでおきましょう。
 ・本体だけではなくスクリーンと設置台が必要です。
 ・本機の場合で、レンズ面からスクリーンまで3.08m必要です。
 ・ハイビジョンは一応映りますがアナログ相当で、変換器を通す必要があります。
 ・据え付けは、2名以上で作業しましょう。
 ・自分の部屋で、
実機の大きさを見ると手放したくなります。覚悟しましょう。
 ・付属品は出来るだけあるモノを選びましょう。
  こういう品物はほとんどが受注生産品なだけに、リモコンなどが無いとべらぼうに高額だったり、既に部品すら無かったりします。
 ・取扱説明書は必須です。
 ・ポンと据えてすぐ使えるモノではありません。
  
神経衰弱とも言えるウルトラめんどくさい調整が必要です。
  レコードプレーヤよりめんどくさいです。

  調整作業を「インストール」と呼び、調整作業が出来る人を「インストーラー」と呼ぶようです。パソコンじゃないって。

  はっきりいって今まで使ってきたAV機器では
もっとも楽しめるお勧めし難い品物です。
 
  舐めてかかると痛い目に遭います。っていうか、以降は痛い目に遭った報告です。

 ってなわけで、我がワンルームにやってきた三管プロジェクター。

 絶対間違ってます。

 「何がですか?」

 あなた、プロジェクターの後ろ、流し台だって・・・。


 写真によっては官能の香りさえするプロジェクターがえらく生活感の溢れる写真になっとります。

 既にこの時点でカオスのにほひが漂っております。

 しかしこうしてみると小さいね・・・本当はすごく大きさを感じるんですよ。
 部屋で見ると「何コレ、間違ってるよ絶対」と思います。

 上の写真をよく見ると、80リッターそこそこの小型ワンドア冷蔵庫と高さがかわんないことが解ります。

 この時点で既に心中は

 ○| ̄|_ダメポ マズー

 かなーり鬱です。・゜・(ノД`)・゜・。 ←上下2点とも、(c)厚樹さん

 今回は、厚樹さんのおっしゃる


「ジャンク発見(・∀・)? → ( ゜∀゜)=3ナヌゥ!? → (´-`).。oO(設置後の妄想…) →

部屋にキタ━(゜∀゜)━!! → Σ(゜ロ゜ ノ)ノ → (((( ;゜Д゜))) → 
○| ̄|_ 

結論。・゜・(ノД`)・゜・。  
←上下2点とも、(c)厚樹さん


 
のまんまで買いました。心中、この記事作っててもまだマズー感と○| ̄|_な気持ちです。

 修理用/ごはん食い用ちゃぶ台(¥1,980)に乗せて、仮で投射するの図。
 おそらく史上最強にショボいプロジェクターある部屋の映像だと思います。
 キタネェ部屋です。
 電子レンジとコンビニ袋とミカン箱がいい味を出しております。

 ちなみにこのサイズでも重量50kgです。
 カバーを外したところです。信号系の基板が見えます。
 早速内部をご開帳です。

 三管というだけあって、3つ管が並んでるよ・・・(爆

 基本的に業務用だけあって、作りはしっかりしています。
 このプロジェクターは天吊り設定(型番がB1010C)である為、床置きで見ると天地が逆になります。これを床置きにして、コンバージェンスずれまくりな仮調整で出した絵がコレです。
 実はスクリーンがまだ無くて、代わりとして布団のシーツを代用。
 しかし大きさの迫力が伝わります。
 左に見える機材類と比較してください。

 画面のまりっぺの画像は実寸で1.5mくらいある筈です。

 画像がフェードアウトしたときが「ああ、三管なんだな」と思う瞬間です。
 この瞬間の為に三管導入決定、な人も居られるようです。

 液晶に比べて画素が見えない分、走査線が目立ちます。

 画質そのものは液晶にくらべるまでもなく激しくイイです。
 三管がいいと言う部分が良く分かります。

 さて、天吊り→床置きへの設定を書いてみます。
 TH−B1010/B710/110VW/80VWなどに共通のようです。
 厚樹さん、情報ありがとうございます。

 蓋を開けて目の前に見える2枚の基板はサブシャーシに固定されています。
 これは2本のビスではずせます。これをはずして基板を起こし、開けて向かって左下にこのコネクタが見えます。

 左の赤丸で囲った中のコネクタが問題のコネクタです。

 上の写真の左側コネクタ部分の拡大。
 コネクタに空きが3本あり、シルク印刷が破線で書かれていますが、これを左にあるコネクタと3本とも差し替えます。
 2枚上の写真の右側コネクタ部分の拡大。
 コネクタに空きが1本あり、シルク印刷が破線で書かれていますが、これを下にあるコネクタと差し替えます。
 床置きへの差し替えが終わったところ。
 三管プロジェクターは管の状態が最も気になります。

 程度を確認するためにレンズを外して内部を確認してみることに。
 ドライバーだけでここまで出来ます。

 開け序でに掃除もしておくと良いでしょう。

 左から、B、G、Rの順。

  外したところ。ブラウン管はひだの見える部分で、ひだは放熱のために管と一体化しています。
 この手の三管プロジェクターでは、Bの管が比較的逝きやすいようで、私のものも左のように僅かに焼けていました。言われないと気づかないレベルですが・・・。
 程度は良い方でしょう。
 このプロジェクターは通電時間を知る方法が現状無いので・・・。
 さて、必要ということで取り寄せた取説。
 取り扱いと工事用でそれぞれ分かれています。

 1冊1000円。これがなければ設置、調整は無理です。

 真ん中は付属してきたリモコン。

 リモコンの裏側。
 プロジェクター調整用のもので日常は使いません。
 これがないと調整が出来ないので実質は使えません。
 まだ在庫はあるようです。

 しかも調整を崩すと大変なことになる為、蓋がしてある上に裏側モードが簡単に使えないよう、スライドスイッチまでついています。
 入力信号のコネクタなど。
 NTSCはS−ビデオとコンポジットで、ハイビジョン(アナログ)はRGBで受けます。
 実際に、ゆくゆくはハイビジョン視聴も視野に入れています。

 右のジャックは赤外線リモコンの拡張受光部ユニット接続用。
 左から電源スイッチ、外部コントロール端子、S−ビデオ、コンポジットビデオ(入出力)、オーディオ入力(内蔵のスピーカーが鳴らせるが実用性は限りなく低い)、RGBHV/V入力。
 ウチで仮に据えてみたところ。
 ラックはやわやわの1780円。(爆汗)

 ラックがこれだと本体に触れるだけでへろへろで、投射した映像が揺れ動きます。
 どういうことかというと、超重量級のレコードプレーヤーを段ボール箱の上に置くような・・・。
 ってなわけで「置くだけ」で実用は限りなく不可能です。(爆
 素直にアイリスオーヤマあたりのメタルラックですね、高いけど。
 コレを使って天吊りし、先端を天井に突っ張れば(そういうブツが売られています)大丈夫じゃないかと。

 うーん、良い画ですな(爆
 夜間の交通信号機じゃありませんので念のため・・・。

 このプロジェクターの仕様を書いてみます。

 消費電力 340W
 投射管 7インチ高輝度電磁収束投射管 3本
 レンズ F1.09 f136 色収差補正レンズ 3個
 光出力 700ルーメン
 水平解像度 1100本/RGB入力 800本/ビデオ入力 帯域幅30MHz
 投射角度 据え置き型、天吊り型 14度、透過型 12.6度
 重量 48kg
 外観寸法 606x305x765(幅x高さx奥行き)
 水平周波数 15.75/31.5/33.75KHz@RGB入力(自動切り替え)
         15.75/15.625KHz@ビデオ入力(自動切り替え)

 ざっとこんなところでしょうか。
 お値段は約120万円というところのようです。

 RGBでハイビジョン信号を入れると当然ながら映せる仕様です。
 いずれは変換器を買う予定です。

 画像提供:厚樹さま

 これが互換機と思われる、TH−110VWの外観です。
 ホームシアターユース用に受注生産として作られていたものらしく、カラーはブラックです。
 おそらくは民生用のルートで販売されていたものでしょう。
 こっちの方がレア度は高いっぽいです。

 仕様的には大差はないようです。
 なお、型番で末尾にF、C、Rがつきますが、それぞれ床置き、天吊り、透過型の違いがあります。
 それぞれで出荷時に調整されているようなので、上のような単なる配線変更だけでは、本来はだめなのでしょう。


 そないな訳で、左記の会が出来てしまいました(爆)。会長は厚樹さまです。

 マイナーなパナソニックの三管というところがこれまたレアですが、入会に当たっては管のメーカーや種類は問いません。ソニーやBARCOでもいいです。
 お金持ちならすんなり新品が買えてしまうのですが、貧乏人が如何に格安に三管を楽しめるかがこの会のポイントです。
 しかもあわよくばハイビジョンすら狙っています。

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