Luxkit 真空管式プリアンプ A3032型の修理

 ラックスキットが出していた管球式プリアンプのキット。
 勿論組み立て済みです。
 動作不良品を格安ゲット。
 ただし5000円以上はしています。

 以前に修理したCL-32との差は大してありません。基板もほとんど一緒です。キットとして作りやすく、多少設計が簡素化されている程度の差でしょう。

 内部をさらっと見た感じでは、キット組み立て品にすると、半田の腕はうまいと思います。
 CL-32の回路図を片手に、信号の流れを追っていくとここに辿り着きました。フラットアンプの出力に付いているカップリングコンデンサです。
 ここの片側にはプレート電圧(+200V以上、直流)がモロに掛かるのでいろいろな意味で要注意です。 

 動作中の確認は感電に注意。
 別置きアンプを使って信号を追う場合は、テストリードとアンプの間に、必ず高耐圧のコンデンサ(0.1uF/400V程度)を介してからにします。
 コンデンサがショートしている場合は、信号側回路に直流がだだ漏れとなりきわめて危険です。

 写真は手持ちの同等のペーパーコンデンサと取り替えて試験中の様子。多少バランス感が変(位相や中域と高域の感じが左右で違う)でした。これも他のコンデンサの不具合と踏んで、全数交換をすることに。
 日本橋まで出なければつらいかな、と思いつつ、京都寺町にあるマルツ電波で全部のコンデンサを揃えられました。真空管機器用の高耐圧電解コンデンサがデフォで置かれているのに感動。
全部で9000円足らず。結構痛いです。

帰り道の、烏丸御池にある○チコ○の本社ビルに萎え。(笑)

赤いのはマイラー、青いのはディップタンタルです。

マルツ電波さん、愛しちゃいます。
日本橋まで出たら多少出費は抑えられたかなと思いますが、交通費が結構しますからねぇ。
コンデンサリスト

ペーパ(マイラ)

0.47uF  /400V 4個
0.022uF/400V 6個
0.1uF   /250V 2個
1uF    /400V 2個

ディップタンタル

47uF   / 6.3V  2個
100uF / 6.3V 4個
33uF   / 6.3V 2個

電解

3300uF /25V  2個
47uF    /450V 6個
33uF    /350V 4個 

写真は一部の電解コンデンサを外したところ。噴きまくりです。
 電源の整流回路のコンデンサ。危険すぎます。
 現代のコンデンサに置き換えたところ。外形が小さいので助かります。
 一応主要な電解コンデンサはこれだけです。
 今回はMUSEではなく汎用のコンデンサになっています。
 以前、ヒーター回路の電解コンデンサをMUSEにしたら結構な発熱でしたので。
 右がオリジナルのペーパーコン、左が交換するマイラー。

 容量は若干の前後はかまいませんが、最低でも耐電圧は守る必要があります。
 極性はありません。

 本当は音質に直に関わる部品なので高品質なものを入れたいところです。
 修理中に気づいたのですが、真空管がどうも一部入れ替わっているようで、そこそこ使い込まれたようです。通信用の12AX7が刺さっていましたし。
 真ん中に見える12AU7はマイカが2つ割れになっています。どうもなぁ。(笑)
 交換途中の様子。
 回路の作りが広いので作業性は良いです。
 全数の交換糸冬 了..._〆(゚▽゚*)。映り込んでいる時計を見ると1時間そこそこの仕事です。
 その他、半田修正をしながら、電解とタンタルコンデンサの極性を確認しておきます。

 極性を間違えるとコンデンサが破裂してえらいことになりますので注意が必要です。
 交換した部品類。
 電源のパイロットランプも切れていましたので手持ちと交換。
 交換後の様子。コレがあるのと無いのではえらい差です。ちょっとした事ですけどね。
 修理完了。試運転までちょうど1時間ほどですね。
 大丈夫とは思っていても通電させる瞬間は怖いです。
 音質はなかなかご機嫌ですが、前のCL-32とは少し違う気がします。コンデンサが違うからでしょうかね。
 真空管群。適当なジャンク球を刺しているようにも見えたりします。(汗)
 電源回路付近。

 このアンプの弱点は電源回路とペーパーコンデンサでしょうね。特に、ヒーター回路の安定化をしているダーリントンの後段トランジスタはあんまり設計がよろしくなく、シャーシに放熱させるようにはなっていますが、脚が半田クラックしていました。
 最後に、POWERつまみが外れていたので2液式エポキシ接着剤で固定しました。
 無事に試運転中のA3032。
 D150AIIに直結して慣らし運転中です。低域の押しはCA-3000より弱いですが、中高域の美しさは勝っているような気がします。
 お気に入りの平原綾香さんの「the voice」をStuderのA730+JBL 4301で試聴中。

 今回のA3032は、私がいまだ持っているCL-32より程度がいいですね。各部分のガリも少ないです。

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