ビクター HM-DH35000 D-VHSビデオデッキの修理(その1)

 2002年製造のものが、最早「映像出力されない」という事でジャンクとして出ていました。

 ハードオフやヤフオクじゃないお店です。
 リモコン、説明書付き。

 写真はメーカーHPより使い回しですみません。

 このデッキの特徴はなんと言ってもMpegデコーダー内蔵なので、モニターさえあればハイビジョン再生が出来る点。
早速動作チェック。
電源、メカは一応問題無し。
D-VHS再生も問題なし。音声もきちんと出る。

その時点で「もう良いかな、ラッキーですな」とも思ったのですが、S-VHS再生が出来ませんでした。
再生した瞬間は画が出ますが、すぐにブルーバックになります。

S-VHSなんて使わないし、まぁ良いような気もしますが、ネタの為には修理することにします。
 内部を調べましたが、もうここ以外にはあり得ない感じです。

 いわゆる、Mpeg-TS関係の処理ボードです。
 音声もこの基板で処理しています。

 表面実装アルミニウム電解コンデンサが鈴なり。

 メーカー修理では、人によってはユニット交換、良い人だと電解だけをちまちま貼り替えてくれるようです。

 こんなボード、2〜3万円ではきかない気がしますけども。
 JVC製のQFPやメモリが見えます。
 なんせ高密度です。
 チップ部品では、多分1005サイズ使ってます。1.0mm×0.5mmです。
 うっかりはんだごてが当たるとチップ部品が行方不明になる可能性があるのです。
 半田面。
 実際にはBGAチップやQFPチップがたくさん。コレがかなりの発熱で、シールドケースが放熱板を兼ねている作りです。

 手で触れないくらいの温度にまで上昇します。
 電解コンデンサの寿命も短い筈です。
 基板上にある、i-LINKの空きコネクタ。フロントパネルにコネクタが1個ありますのでリアと併せて2個はあるのですが、部品を実装すれば使えそうな感じもします。
 で、貼り替えました。
 狭いですよ〜。
 手持ちのコンデンサ在庫を使ったのでメーカーがいろいろですみません。(汗)
 はんだごての熱量も少なくて、1カ所パターンを切ってしまいました。
 会社のホットピンセットを使いたかったのですが、事情により無理でしたので、マイハンダゴテを使用。

 切った部分はコンデンサの足が載るパッドで、パターンの伸びる先の表側はQFPの下というどうしようもない内容でした。(汗)

 髪の毛より細いだろうパターンにジャンパ線を飛ばしました。
 結果、デジタル音声のRchが出ません。
 調べると、上で失敗したパターン部分の問題っぽいです。

 何故か発見された、HM-DH30000のサービスマニュアル(基本的に殆ど一緒)で回路を追うことにします。
 ここが該当部分の回路です。
 右下の、オーディオDACのアナログRch出力の先にある電解コンデンサの足が今回のパターン破損箇所。
 Rchが鳴らないという状況とも一致します。

 頑張ってパターンにジャンパを飛ばしました。

 しかし回路図は便利良いよなぁ。

 パターン飛ばしのついでに、モロに音声が通ることから、MUSE電解コンデンサに貼り替えておきました。
 動作チェックの為にS-VHSテープを1本、D-VHSテープを数本見続けましたが特に問題ない状況です。
 発熱が凄く、その発熱部分にはファンが無いので熱がこもりやすい感じです。
 ファンがあるのは電源側です。
 電源もメンテした方が良いでしょうね。
 メカもくたびれているかも知れませんが、現時点では特に支障無い状況です。

 メカは安物と同じヘロヘロメカですが、まぁ高級機だけに、ファームウエアなどがそれなりに作ってあるようです。

 しかし、手持ちD-VHSデッキが4台ですよ・・・。(汗)

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