山水 プリメインアンプ AU−9900型の修理(その5)

 数々の困難を乗り越えて、しばらく実家で使用し、後に転勤先でも使用中のこのアンプ。

 最近トーン/フィルタディフィートスイッチの接触不良が出たので調査中に、片chの音がどうやっても出なくなりました。
 このアンプは純粋なトランジスタアンプなので、無音時のノイズが比較的多く、周りが静かであれば、スピーカーから「シー」という音が聞こえるのですが、それすら皆無です。
 いろいろ調べてめんどくさくなり蓋を閉めかけたところ、よくよく見るとスピーカー切り替えスイッチのベークが割れていました。

 ここには接点復活剤をかけた記憶がありますが・・・悪い予感です。

 取りあえず、見捨てるには勿体ないので、最悪等価回路を組むとして、サービスマニュアルを見てみます。
 このサービスマニュアルの入手方法は、海外からの個人輸入です。従いまして英文ですが、平易な英文が多く、特に問題になることもありません。
 スピーカースイッチ〜端子までの回路を調べてみます。
 昔のアンプらしく、直接回路にスイッチが入っています。
 この構成だと4回路4接点あればいいですね。
 Web通販するかな、等価回路組むかなぁ、とか思いながらニノミヤ京都店を訪れると、なんと幸いに使えそうなスイッチが売られていました。やはりアルプス社製、約600円也。

 実はこの前に1つ、同じようなスイッチを入手していたのですが、軸の長さが合わず、2回足を運ぶ羽目になりました。まぁ以前と違って、片道徒歩+電車で20分ほどで行ける場所になりましたので、良かったです。
 このままでは軸の長さが長すぎるので、切ることにします。

 スイッチ部分は見ての通りあまりしっかりした構造ではありません。
 幸いに分解できる構造ですので、分解して軸+ラチェット部だけにしてしまいます。
 金ノコの刃だけでシコシコと10分ほどかけて軸を切っているところ。
 切断できたところ。手がだるい(笑)。

 会社に行けばサンダーがあるので、それで切れば1秒で済むのですが。(汗
 ついでに、先日の調査中に偶然壊れた、写真ではD606のダイオードのショートによるヒューズF604の溶断があり、ヒューズも定格指定2Aの回路に4Aの代用品をいれていたこともあり、D605/D606のダイオード×2、ヒューズ×4を交換することに。

 この回路のF603/F604の先には電源トランスがあります。
 適当な大容量のヒューズを入れるとトランスかプリントパターンが焼損すると思われます。
 D605/D606の2次側は、パワーアンプのB電源(+35V)となっています。
 この回路であれば、片方のヒューズが切れても音は出ると思いますが、大音量は出せないでしょうね。

 この回路でF604だけが切れるとすれば、D606の不良しかありません。
 取り外したダイオードは見事にショートしていました。

 実際の基板。電解コンデンサの脇に見えるのがダイオード群。
 一番下の1本が基板上にありません。 
 先日の仮修理の際に手持ちのダイオードを基板裏でハンダ付けしたからです。容量が大きく、リード線が基板の穴に入りませんでしたので、やむを得ない処置です。
 劣化していることは明確なので、バランスなどを考慮し両方のダイオードを交換します。
 本当は上の4個も取り替えたいところです。
 スピーカー切り替えスイッチへの配線を綺麗に束ねます。
 調査の際に線を束ねていたのを切りましたので・・・。
 交換したロータリースイッチ。
 他、ダイオードなど。予備に購入しておきました。
 このロータリースイッチの接点を見ると、こんなのは接点復活剤では直らないなと実感しました。この折損は、たぶん接点復活剤による劣化促進が原因ではないかと見ています。

 左に置いてあるのは比較用のロータリースイッチ。
 ランニングテスト中です。

 やはり、AU−α607よりはるかに音がいいですね。何よりパワー感が違います。
 音もきちんとそれぞれが出ている感じがします。

 そういえばこないだ震度3の地震が夜中にあったらしいですが、マンション6Fに住んでいるにもかかわらず全く気づきませんでした(爆汗)。

 それにしても、この積み上げ状態は危ないですな(汗)。

 ブラウザの戻るボタンで戻ってください