山水 プリメインアンプ AU−9900型(その4)

 
取りあえず修理が終わったので、予防保全と掃除をしてみました。

修理後の試運転中、急にプロテクト動作し不安定な動作となったので、プロテクト回路基板を取り出してみました。

この基板は電源基板にプラグインとなっており、その足が著しく汚損していたのが原因のようで、これを軽くヤスリがけしたところ、長時間の再生でも問題はなくなりました。接触不良だったようです。
ヤスリ掛けした足。綺麗に光っています。
パネルがあまりにヤニ汚れで酷いので、パネルのバラし、清掃をすることに。つまみ類をすべて取り外します。
パネルが外れたところ。つまみ類の足の周りにはホコリがからんでいるので綺麗に掃除しておきます。また、スライドスイッチの黒いカバーも掃除します。
パネル面に洗剤を吹きかけて汚れを浮き上がらせる間、ファイナル段Trの放熱性を高める為に、放熱用シリコングリスを塗布することに。

写真は、分解したファイナル段Trモジュール。

前段との接続は半田ですが、電源、出力回路との接続はコネクタとなっています。比較的簡単にはずれます。
トランジスタはメサ型で、ソケットに入っています。これの代替用トランジスタはメサ型では多分入手できないと思われます・・・。

トランジスタの裏側には一応シリコングリス塗布の形跡が見られますが、流石に25年が経過するとすべて流れ落ちてしまうのでしょう。

取り外したトランジスタの取り付け部分に放熱用シリコンを塗ることに。

ちなみにトランジスタはサンケン製2SC1116。

同じモジュールの反対側。高熱時の保護用のサーミスタがトランジスタに共締めされています。
トランジスタの足が少し腐食?一応綺麗にふき取っておきます。

右の透明な板はマイカ板。絶縁用です。

では、一通りの行程をお見せします。

まずはトランジスタの取り付けビスを外してトランジスタを引き抜きます。

そして、端子部を避けるように放熱用グリスを塗布します。ちなみに、あまり塗りすぎてもはみ出てしまうので程々で良いです。
中にマイカ板を挟むので、トランジスタにも塗りますが・・・意味がないような気が・・・。(爆)
方向を間違えないように、マイカ板を載せます。

これを忘れると、トランジスタがショートしアンプはご臨終となります。

トランジスタのピンに注意しながらソケットの穴にピンを差し込み、ビスで放熱板と縫いつけます。

シリコングリスがあまりはみ出すと汚いので、適当にふき取ります。

これが2組ありますから、全部で8個のトランジスタに同じ事をする必要があります。

無事にメンテナンス終了。綺麗に掃除すると気持ちよいです。
清掃した状態。つまみのシルバーがブラックのパネルに映えて美しい。当時、店頭に並んだとすればかなり格好良かったに違いないです。

ちなみに、私が幼稚園児時代のシロモノです。

ガリも殆ど無くなり、実用するには何ら問題ない状態になりました。

なお、出力のDC電圧ですが、5mV程度になりました。一応これで問題はないと思っています。メーカーの調整値もだいたい5mVくらいらしいです。

このアンプについてはこれで終わりにしたいと思います。

この次は、DC漏れが酷い様子のAU−D907Xを修理する予定です。

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