サンスイ プリメインアンプ AU−α507i型の修理

 サンスイの普及価格帯のプリメインアンプです。
 基本的なデザインは607そのままですね。

 掲示板で、捨てられる運命にあったものを譲り受けました。
 伊藤様、有り難うございました。
 サンスイ新ロゴ、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
 というような感じです。(汗

 小傷が多いので、後で綺麗に磨いてみる予定です。
 ごくごく普通のアンプです。
 不具合内容は、

 ・プロテクトが解除されない。
 ・雑音が出る

 の2つということでした。
 私の手元に届いて通電した時点では、取りあえずプロテクトは解除されました。
 ただしDC漏れが多いですね。
 写真は、通電後30秒くらいのスピーカー端子でのDC電圧。
 1〜2分するとかなり落ち着いては来ます。
 特にアンプが古い等で回路の劣化がある場合はDC電圧も微妙に変動します。

 何もしてないのに、プロテクトが動作するようになったら、終段のTrを傷める前に電源を切ってDC調整をした方が良いでしょう。
 アンプの内部。ごくごく普通の構成です。流石にこのクラスでは物量はさほどでは無いです。
 電源の平滑用電解コンデンサ。10000マイクロファラド63V。
 トランス側のものは頭が膨らんでいます。やな感じです。
 さて、DC調整用の半固定VRを探してみます。
 写真では4個の半固定VRが見えます。
 写真では、左側のVRがそうです。DC0Vと書かれていますので直ぐ解ります。
 電解コンデンサもフィルムが微妙に後退していて良くない感じです。
 さて、このVRを回しても良いのですが、10年以上の使用で接触不良が免れないですから、速やかに交換してしまいます。100ΩBカーブでした。
 手持ちの在庫があったので使うことにします。
 そして、古いVRの抵抗値を測定しておき、新しいVRを出来るだけその抵抗値に合わせます。

 そうしないと、新品のVRの調整位置が古いVRのものとかけ離れている場合、DCだだ漏れとなり、機器へのダメージが無視できないこと、そして何よりプロテクトが外れなくなり、何かと面倒になります。

 私の例では46Ωでした。(あくまで参考)
 調整を追い込んでいったところ。ほぼ満足できる数値となりました。
 調整は激しくシビアですし、また経時によりDC漏れも変動します。
 この変動は、アンプの程度が悪ければ悪いほど大きいようです。

 基本的に+−10mV程度に調整しておけば良いでしょう。

 ある程度時間を掛けて調整し、1時間から2時間くらい通電したまま放置した上で再度電圧を確認してみます。結構変動しているものです。
 なお、当然ながら無信号状態とします。
 序で、ノイズの原因となっているトーンSWを調査しますので、パネルを取り外します。
 これがトーンスイッチです。
 どうも分解は難しそうでしたので、隙間から接点復活剤を微量噴霧し、スイッチを何度も操作し、取りあえずは動作に問題が無い程度に回復しました。
 仮動作で音を出しているところ。
 ショボいスピーカーが目を引きます(笑)。

 ただ、流石に単品コンポのアンプでこの手のショボいスピーカーを鳴らしてみると、ショボいスピーカーと言えども結構ちゃんと鳴っています。
 アンプを底から見たところ。
 まぁまぁ普通です。
 パネルをプラスチッククリーナー(磨き粉)で磨いてピカピカになったところ。
 ただし小傷が多いものは取り切れませんでした。
 プラスチックも普通に使えば安っぽいだけなのですが、このアンプは使い方が上手いですね。ちなみに上位に当たるAU−X111MOS VINTAGEなども同じようなパネルです。

 反射が美しいです。
 リアパネル。ごくごく普通です。
 蓋を閉めて試運転中。
 処遇は、コンデンサの交換などを含めて持ち主の方と相談中です。

 ご注意:基本的に依頼修理は受けておりません。

 また、修理してお金をいただくような事も行っておりません。
 (もしそうなったとしても実費程度ですが)
 今回は「実験材料に送料のみでどうぞ。もし直ったら連絡ください」とのことでした。

 伊藤様、ありがとうございました。

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