ソニー 業務用ピクチャーモニター PVM−1442Q型の修理


 !!!!!注意!!!!!

 ここから先は、非常に危険な作業の紹介をしています。
 感電、やけどの可能性があり、最悪の場合は死に至る事もあります。
 決してこの内容をマネしないでください。
 マネをして、貴方が被害を被られましてもわたしは一切の責任を負いません。


 とまあ、挨拶文を書いておきます。本当に危険ですので、注意してください。

 近所の某所にこれが出ていました。
 「電源一応入ります、映像出ません、画面TCコード焼けあり、外観汚れ、傷有り」でした。

 なんやねん一応って?

 ふつーなら狩って帰らんぞ!

 というような程度のブツを保護ってしまいました。
 モニターでなくテレビだったら買わない罠。

 まぁ3000円だしね(笑

 写真は修理後のものです。
 電源を入れてみると、LEDは薄ぼんやりと灯るだけでした。
 唯一、輝度やコントラスト調整のスイッチが反応しLEDが光る程度で、高圧の出る音もありません。

 こういう場合は電源の不具合と言うことが多いです。

 外観の程度から、そこそこ使い込まれている様子がうかがえました。そこで、ハンダクラックを疑います。
 電源基板を見ると、それはもうハンダクラックのオンパレード。これで動くわけない!
 ハンダ付けのほとんどがクラックしています。
 もともとこのモニター、放熱穴が空いてはいますがあまり放熱は良く無さそう。
 ピンぼけで申し訳ないです。
 手前の大きな2つのうち、左がハンダ修正をしたもの。
 右は未修整のもの。ハンダの劣化は見た目の通りです。
 他の基板はダメージが少なそうだったので通電してみましたが、相変わらず動作しません。

 回路を調べると、115V系の回路にヒューズが入っていまして、これが切れていました。
 写真では1Aのガラス管ヒューズを代用して取り付けました。
 これが切れたヒューズ。半導体ヒューズです。
 電源基板はサブシャーシに載っており、これを取り外ししてハンダ修正を続けます。
 ヒューズ周辺の様子。
 基板も一部変色が見られ、高熱に晒されている箇所だと解ります。
 ヒューズはコネクタに固定しました。
 基板を組み立てたところ。
 これでも、最初の状態よりかなり清掃しています。

 最初はブラウン管に3mmくらい埃が堆積していました。
 さて、通電してみますと

 「シュー」

 という高圧が出る音とともに、しばらくして映像が出ました。
 ふっ、3000円に勝ったね(笑)。
 画質は、いままでのPVMと同様の傾向でした。
 言うまでもなく画質は(・∀・)イイ!!です。
 正面パネル。
 操作は比較的アナログです。
 オンスクリーンなどはありません。

 ブルーオンリー、アンダースキャン、HVディレイなどがありピクチャーモニターとして使えるものです。
 TC焼けの様子。
 このモニタは正味にスタジオなどの現場で使用されていたのでしょう。
 内部。良く焼けてます(笑)
 これも清掃後の写真です。
 リアの端子群。
 S映像が1系統だけです。
 デジタルRGBがあるのが時代ですね。
 色温度も切り替えできます。
 さて、画質を調整します。
 基本的には映っていますが、ホワイトバランスが良くないので調整してみます。
 こういうときはパターンジェネレーターが便利です。
 以前に買ったジャンクが活躍です。
 カットオフを調整します。
 その調整箇所はかなり内部です。
 電源基板を取り外します。
 これがカットオフ調整のVR。
 色温度9300°Kにて調整します。
 手前の4個を調整します。
 なお、Gは固定でRとBを調整します。
 カラーバーを表示してみます。
 一番大きく違いを感じるのは赤色ですね。
 あとは実際の画像で確認してみます。
 まずまず、現用のPVM−D20L5Jと同じようになりましたので、これでOKとします。
 調整中の様子。
 怖いです(笑)
 調整を無事に終えてランニングテストです。
 見ての通りTC焼けも気にならず、それなりに良い状態です。アマチュアが使うには十分です。
 その他の調整項目は基板上にあります。
 一昔前のアナログ調整式です。
 PVMの3つ巴です(爆)。
 ウチの現用PVM−D20L5JとPVM−1454Qは殆ど画質傾向も同様なのですが、この1442Qは少し違いますね。古いし、管が違うのが大きいのかな。
 スーパーファインピッチ管ですが、蛍光体はEBUです。

 しかしその画質差も比較すればようやく解る程度で、画質としては極めて綺麗なものです。
 輝度もコントラストも十分につきます。以外に程度は良いようです。

 このモニター、早速に引取先が決まりそうです。
 微妙な画質チェックをしてみました。

 これがPVM−1442Qで表示させた映像。
 字幕の周辺が多少色ズレしている気がします。
 また、若干ブルーミングを起こしている感もあります。
 ブライトネスは、背景の黒が僅かに出る状態、コントラストは目が痛くならない程度に調整。
 この状態で外光が入るとまず画面は見えません。
 こっちがPVM−1454Qで表示させた映像。
 流石に綺麗でビシッと決まっています。
 でも現在は予備なんだよねェ(汗

 ※処分する予定はありませんので念のため。

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