マランツ プリメインアンプ Model 1120型の修理

 マランツの70年代のプリメインアンプ。
 これまた、プリアンプのみLchが歪むというモノを修理依頼されました。
 まずは基板チェーック!
 見ての通り、半田のノリが少ないですね。まずは半田修正です。
 この基板はどうやらフラットアンプのようで、抜いて電源を入れると音が出ませんでした。
 右半分が半田修正済み。
 半田の光り方と量が全然違いますね。
 さて、フラットアンプの基板を抜いたあと気づいたのですが、パイロットランプが後の修理で交換されています。
 それは良いのですが、電圧が合わなかったようで、無理矢理に抵抗で落としています。しかし、それにしても空中配線はあかんやろと。
 電気をナメすぎ。熱で抵抗の足の半田が剥がれ落ちて、基板にショートしたらどうすんねん!
 コレは抵抗を1本にし、熱収縮チューブで絶縁しておきました。
 ついで、電源基板のメンテです。
 こっちは電流が流れる分、半田の不良も目立ちます。
 全体に半田が痩せていますね。
 基板の表。
 電解コンデンサですが、ニッケミにルビコンに海外製、入り乱れています。
 海外製のコレが入っている部分は音質に相当影響するコンデンサなのでしょう。
 基板のロットが気になりますね。
 1975年4月23日製造品のようです。
 もしかすると、黒色の電解コンデンサは交換歴があるかも知れません。
 ついで、パネルスイッチの基板も半田修正します。
 半田修正して、内蔵パワーアンプで音を出しても音の歪みはあります。
 というわけで、スピーカー回路に入っている、ここを疑ってみました。基本ですよね。しかも接点剥き出しってのがちと(・A ・)イクナイ!感じが・・・。
 接点を取り外して接点面を研磨します。
 見るからに黒い固定接点に対し、可動接点はさほど汚損もありません。
 研磨した固定接点。地金の色が見えます。
 元通り組み立てたリレー。
 手動での動作もスムーズで支障ありません。
 セオリー通りのつくりになるセレクター/フォノアンプ基板。
 コンデンサの劣化が目立ちます。
 アンプのシャーシ内部。実にすっきりしています。
 パワーアンプ周辺。
 フラットアンプの表側。
 青色の基板が目立ちます。
 多分に漏れずコンデンサは劣化が見られます。
 試運転中の様子。
 これがまた濃い音です。駆動力も十分すぎます。
 駆動力だけが目立って荒削りではなく、ちゃんと繊細に鳴らす部分もあります。
 Jazzは気持ちよい音でたまりませんね。試運転で聞き惚れてしまいました。
 スピーカーは見ての通りカラオケ用ですが、アンプと送りのCDPの音質に助けられて、音質はかなり良いものでした。
 リアパネル。
 テープデッキ用DIN端子が時代を感じさせます。

 なお、放熱フィンは相当熱を持ちます。

 無事に修理完了し、後ほど納品ですね。

 ブラウザの戻るボタンで戻ってください