ソニー DATデッキ DTC−1000ES型
私の手元にDTC−1000ESが来てから簡単な調査で放置していました。
それから、掲示板でも1000ESの話題が出て、放置するには惜しくなってきたので修理にかかりました。
その時の掲示板ログで大事なところはだいたいこんなとこかな、と引用しておきます。
DAT修理の第一人者であられる、水谷さま、ちゃちゃII世様の書き込みです。
きよどんさんへ
ロータリーエンコーダの取りつけ方法です☆
最初にローディングモーターのゴムベルトを指で回して、ピンチローラーとキャプスタンを接触寸前にする
(すんごく疲れます★)
キャプスタンの軸を止めている上の部分に、1箇所平らな部分があるので
上から見て、そことピンチローラーが接触して見えるギリギリまで合わせておく
ロータリーエンコーダのギヤのマークを、外側の三角に合わせて、所定の場所に設置する
コードを正しくハンダ付けする
上部のメカを正しく戻して、天板を開いたまま電源を入れると、初期状態にメカが戻る
テープを入れてローディング完了まで待つ
ピンチローラーが先ほど調整した位置にある事を確認する
位置が合っていなかった場合は、ロータリーエンコーダを固定しているビスをゆるめて微調整する☆
これでも上手くメカが動かなかったら、他の部分に問題があります〜★
きよどんさんへ
以前に水谷さんの掲示板へ別HNで書き込みましたが、ロータリーエンコーダの設定法で
〇に合わせるやり方として、
>余談ですが、ロータリーエンコーダーの交換の際、テープトレイが収まっている状態(アンローディング)の時は、エンコーダーのギヤ側の合せマークは「丸ぽち」でOKです。こうすればローディングギヤを進め、ビンチローラーの微妙な位置を確認しながらの作業は不要となり簡単確実にセットできます。但し、今回はエンコーダが破損していなかったので上記のやり方で交換できましたが、アンローディング状態にすれば同じではないかと思います。何方か確認してみて下さい
という方法を実際に試してみて気が付いたのですが、ソニーの修理手順とは異なるので保証はできません。宜しければ一度試して下さい。
ソニーの修理手順は水谷さんのレスのとおりです (^-^;
さて、自機の修理にかかるとします。
外観まずまず、リモコン、説明書付きで500円でした。私ではなく連れが保護してくれていました。さんくす。
なにより初代機らしい物量投入、そして今や貴重な懇談会仕様。そしてメカは4DDと気合い入りまくりの1台です。 ちなみにテープを入れても、CAUTION表示が出て動作できない状態でした。 |
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蓋を取ったところ。メカはなんだか込み入って見えます。
しかし意外に単純で、黒いメカに目立って見えるユニクロメッキされたビス5本を外すと、ローディングユニットがあっさりと外れます。メンテ性が良く、優秀な設計ですな。 |
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メカを外したところ。この状態を良く覚えていてください。
しかしモーターは4DDだけに結構すっきりしたメカではないでしょうか。 |
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さて、壊れやすいと噂のロータリーエンコーダーですが、ちょっと触れただけでこの通り。再使用は難しそうなので、注文します。 | |
これが取り寄せたロータリーエンコーダー、さて、多少はマシになっている様子です。古いのは「経年で自動的に壊れます!」というような設計。
ちなみに半田付けが必要です。 |
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さて、生まれつきのめんどくさがりなのでロータリーエンコーダーはちゃちゃII世様の方法で位置合わせをします。 カセットが入ってない状態、かつトレイがしまっている状態でギヤの筋を丸印に合わせます。 | |
一番の原因はモードスイッチのようでしたが、他にもベルト類を総交換します。このデッキは3本あります。
また、ピンチローラーも交換します。 |
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ベルト3本のうち2本はトレイに使用されています。長いのはトレイ裏。
あと1本はトレイ表。もう1本はロータリーエンコーダーのところにあります。 |
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さて、疑わしい部品を交換後動作させてみます。
あれ・・・動かないぞ。 再生させてもピンチローラーがキャプスタンに付きません。 調べてみると、写真中でピンチローラーの右にあるポストの位置がおかしいように感じてきました。 |
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3枚目の写真を見てみると、テープが入ってないのにこのポストが動いています。・・・逆だ、多分固着しているんだ、これ。手で動かすとかなり重いです。
手で少し押したところがこれ。 黒い棒は不具合のある位置を指しています。 |
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このポストを軽く動くように、ポストの固定部を取り外してグリスをさします。
なお、この前にキャプスタンモーターの取り外しが必要です。キャプスタンモーターはデッキ表から3本のビスを外せば容易に外れます。 デッキ裏はフラットケーブルが多いので注意。 |
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取り外したポスト。手でも動かず、ペンチでつかんで引き抜きました。
テープパスの狂いの原因になるので、テープ通過部は触らないこと。 |
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デッキ裏を少し引いたところから見ます。リールモーター等が見えますね。 | |
ついでピンチローラーを交換。1200円とお高いですが、構造をよく見るとボールベアリングが使われています。お金がかかっていますね。 | |
メンテが済んだメカ。あとは各部にグリスなどをさして終わりです。
尚、このメカはメンテ性が極めて良く、仮動作は2本のテープをそれぞれ取り外したトレイ、デッキメカにそれぞれ置いても動作が可能です。 |
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無事に再生が可能になりました。
以前1000ESは無念のリタイヤが1回ありましたので、今回はリベンジです。 今回のテープは昔録音した娘。ライブ@TV TOKYO版です。 その他、動作確認をしましたが問題はありません。完了ですね。 |
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修理が終わったので内部紹介。何せお金がかかっていますね。高級部品のオンパレードです。 | |
電源部。ホントにDATデッキか?と思うくらいゴージャスすぎる電源部です。 | |
デッキ裏。右側はシスコン系だが、何げにガラスエポキシ基板です。 | |
交換部品類。 名称と番号は以下の通り。 スライドモーターベルト コントロールベルト UD モーターベルト ピンチローラーASSY ロータリーエンコーダー 合計2200円です。 |
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デッキ裏側。デジタル入出力とアナログ入出力だけの至ってシンプルな端子類以外はヒートシンクと電源部のでっぱり。恐るべし。
操作感も軽快で気持ちいいです。2000ESとは甲乙付けがたいですね。 いいデッキなので動態保存します。 |
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