孤高の家庭用アナログハイビジョンモニター 
ソニーKX−32HV50 オーナーズクラブ 

    

2002.09.01 発足
2002.09.08 発売当時の単品カタログ画像追加

KX−32HV50とは、ソニーが1997年7月に発売を開始した、家庭用アナログハイビジョンビデオモニターである。

その性能、従来からのプロフィールシリーズを引き継ぐ外観は実に機能的かつ斬新で、マニアの心をくすぐった。

しかし、価格は395,000円と高価であり、かつこれにBSチューナー、MUSEデコーダー、ビデオデッキ(事実上、民生用のアナログハイビジョンビデオはビクターのHR−W1かW5と、そのOEM機のみ)を組み合わせると軽く100万円を超えることから、当時これらをフルスペックで、かつ録画まで楽しんでいた人は相当なお金持ちであった。

当時、アナログハイビジョンを楽しむ為には、このプロフィール以外に、普通にハイビジョンテレビも売られていたが、当時の価格はやはり数十万円を下らず、普通のテレビを買うように買えるものではなかった。


そして時代は流れ、アナログハイビジョン放送の後継として、BSデジタルハイビジョン放送が開始された。アナログハイビジョン対応のプロフィール・プロKX−32HV50は皮肉なことにMUSE端子がついていないことからも意外に長くカタログを飾ることとなり、実に2000年頃までカタログに掲載されていた。

その後、惜しまれつつも生産を中止し、現在は後継機種もなく、BSデジタルハイビジョンをより高画質で、かつ一般の家庭用テレビの画質を嫌う人たちがこれの中古を探し求めている為、中古でも価格はかなりのものである。

また、他社からも同様の製品も出ず、現在でもこれを代替する機器は無い。
唯一、あるとすれば業務用のモニター類になってしまう。これらは安く買える代物ではないので、現実的ではない。


当クラブでは、このKX−32HV50を少しでも長く使い続け、かつ情報交換をしたいと考えている。
現実的にプロフィールの後継機種が出ないことから、家庭用ハイビジョンビデオモニタが欲しい人はこれを使い続けるしか道は無い。


・何故、KX−32HV50がいいのか?

 それは、プロフィールシリーズに脈々と流れるその基本性能の高さにあるだろう。
 また、無駄な機能をいっさい廃していること、比較的多くの調整部分がユーザーに開放されていることもある。
 そして、NTSCを映し出した際のきめ細かな映像、DRCなどが無く、素直に15.75KHzインターレースを表示させることが出来る。

 アナログハイビジョンは1125iiであり、ここにデジタルハイビジョンの1080iの信号を入れると垂直振幅が少し広くなってしまう。
 これについては調整で修正出来るため、大きな問題ではない。

 しかも、実質的にはD3モード(525i/525p/1080i)相当が映し出せる為、意外に現代でも使用できるのである。
 DVDのプログレッシブ映像(525p)も、多少の調整が必要だが映し出す事が出来る。
 これは、プロフィールにパソコン用VGA映像モードがあったからである。
 今となってはVGAモードではちょっと・・・という気もしますが、KX−32HV50の柔軟な設計は、セパレートビデオ入力でもこのモードが使用出来た。
 今となってはメーカーの設計者に感謝する次第である。


 当然、これらについてはメーカーは非公認である為、メーカーへの問い合わせは止めて欲しい。
 メーカーの正式見解は「1080iモードのみ映せる」とのこと。
 (実際は上下が欠けるますが、これについての対処は何も書かれておりません)


 (以下ソニーのBSデジタルハイビジョンチューナーへの対応への見解。)

http://faq.sonydrive.jp/fQA.php?qid=1555&OK_Session=91d629594653680e730a846ae7dd5691

 また、画質に関しても、今時のテレビのようにデジタル臭さは少なく、まさにモニターを感じさせる画質です。
 アナログの良さを満喫出来るでしょう。


・デメリットはないのか?

 なかなかデメリットが語られることはないのですが、やはりそれはあります。

 一つは、流石に設計が古いこと。ハイビジョン時の画質は、現行の機種にはかないません。

 もう一つは、NTSCの画質が4:3プロフィールには負けてしまうこと。
 調整で追い込むことは可能ですが、NTSCとハイビジョンの両立は難しいと思いました。

 人によっては、「今更高い金を払って入手すべきものではない」と言う人も居るかも知れません。
 しかし、ブラウン管式最後のプロフィール・プロと考えても、その存在は揺るぎないものと考えます。

 また、現行のBSデジタルハイビジョンを完全に調整された形で楽しむには再調整が必要となります。
 これはメーカーでも正式には対応していないとの回答であり、完全な調整は自己責任に置いて行う必要があります。

 しかし、これらデメリットを払拭するほと、メリットは大きいと考えます。


●KX−32HV50の主な仕様 (メーカーサイトからのコピペ)
     KX-32HV50
受信方式 NTSC方式、1125/60高精細度テレビジョン方式
ブラウン管 HDトリニトロン管 110度偏向32型
映像部 マルチポイントスキャン偏向システム
高精細映像プロセッサー
セパレート偏向/高圧システム&高精度高圧安定回路
3次元Y/C分離回路
入出力端子 ビデオ入力4系統4端子(S1映像入力4系統4端子)
ビデオ出力1系統1端子(S1映像出力1系統1端子)
音声出力端子(アナログ2ch 可変/固定)
HD入力2系統(映像:Y/PB/PR、音声:アナログ2ch)
RGB入力【背面】映像:R/G/B、同期:HD/VD、音声:アナログ2ch
RGB入力【上面】映像、同期:D-SUB3列15ピン、
        音声:ステレオミニジャック
コントロールS入出力端子
スピーカー出力端子(実用最大:15W×2)
外形寸法(mm) 824×534×600 (幅×高×奥行)
質量 約67.5kg
消費電力(スタンバイ時) 245W (2.5W)
年間消費電力量315kW・h/年
付属品プリプログラムリモートコマンダー『RM-J201』

同時発売     
別売り専用チルト式   
モニタースタンド
『SU-32HVX』 ¥38,000(税別)
〔チルト角度 上方向に10度まで可能〕            
専用スピーカー『SS-X50A』 ¥25,000(税別)

 


 現代のハイビジョン放送への対応化情報

 以下の対応情報はこちらから!

 ・その1 525p対応化 (こちらは工事中)

 そのまま無調整状態で525pを映すと、画面に色帯びが発生する。
 しかし、これは調整により回避できる。

 ・その2 1125i→1080i化対応 

 アナログハイビジョン対応の1125i状態でBSデジタルハイビジョンの1080iの信号を入力すると縦幅が伸びてしまう。
 調整により回避出来る。


 KX−32HV50 発売当時の単品カタログ ご提供:ぶたさん 殿  update!

 ソニーの当時の意気込みが感じられる単品カタログ。圧縮劣化を防ぐため大きいサイズで置いてあります。(1枚あたり800KB)

 ぶたさん 殿、画像のご提供ありがとうございました。

 ソニーらしいデザインのカタログです。

        


 プロフィール、プロフィール16×9、PROFEEL、PROFEEL 16×9等は、ソニー株式会社の商品名です。
 トリニトロン、TRINITRONはソニー株式会社の登録商標です。
 カタログ画像は1996年当時、発表された際のものです。著作権はソニー株式会社にあります。
 外観写真、PROFEEL16×9のロゴはソニー株式会社のWebより流用させていただきました。

 もし問題があるようでしたら、私(らいちゃん)までご連絡ください。


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